トランプ氏の暗殺を計画か 容疑者の男を拘束、現場からはライフル銃

2024年9月15日、発砲があった米フロリダ州ウェストパームビーチのトランプ前大統領のゴルフ場で作業する地元警察=ロイター

 米捜査当局は15日、フロリダ州ウェストパームビーチのゴルフ場でプレーしていたトランプ前大統領を銃撃しようとした疑いで、男を拘束したと発表した。トランプ氏にけがはない。詳しい動機はわかっていないが、連邦捜査局(FBI)は、男がトランプ氏の暗殺を企てた可能性があるとみて捜査を始めた。

 事件について報告を受けたバイデン大統領は声明で「トランプ氏にけががなくほっとしている。我々の国には政治的なものを含め、いかなる暴力の居場所もない」と改めて強調した。大統領選の共和党候補であるトランプ氏は7月13日、演説中に狙撃される暗殺未遂事件に遭ったばかりだ。トランプ氏と大統領選で争うハリス副大統領も声明で「トランプ氏の無事に心から感謝している」と述べ、暴力を非難した。

 捜査当局によると、15日午後1時半ごろ、大統領警護隊(シークレットサービス)から、男に向けて発砲したとの報告があった。トランプ氏の向かう先で警戒に当たっていた隊員が、フェンスからライフルの銃身が突き出ているのを確認。トランプ氏を保護する目的で、茂みにいた男に向けて発砲したという。男とトランプ氏は300~500ヤード(約274~457メートル)離れていた。

 男は車に乗って逃走したが、車種やナンバープレートなどの情報から特定され、まもなく拘束された。男がいた現場からは殺傷能力の高いライフルや、照準を合わせる器具の「スコープ」、リュックなどが見つかった。

 トランプ氏の陣営は「トランプ氏は無事だ」との声明を発表。トランプ氏は15日夜、自らのSNS「トゥルース・ソーシャル」に「皆さんからの心配や気遣いに感謝したい。確かに面白い日だった!」と投稿した。

 トランプ氏は7月13日の事件の際は、ペンシルベニア州バトラーであった選挙集会の演説中に銃撃された。壇上から150メートルほどしか離れていない建物の屋上から発砲が8回以上あり、トランプ氏は右耳を負傷。ほかに集会の参加者1人が死亡、2人が負傷した。(ニューヨーク=遠田寛生)

ジャンルで探す