英仏独、対イラン決議提出=対話行き詰まり―IAEA理事会

【ベルリン時事】国際原子力機関(IAEA)の定例理事会が20日、ウィーン本部で開幕した。AFP通信によると、英仏独は核開発を進めるイランに対して、IAEAへの協力姿勢の是正を求める決議案を提出した。イラン側はウラン濃縮に一部制限を課す意向を明らかにしていたが、対応が不十分だと判断した。
イランのアラグチ外相は同日、「相応の対応を取る」と対抗措置を示唆。監視強化を目指すIAEAとの間で対話機運の醸成を図ってきたが、行き詰まりそうだ。
イランは核爆弾4個分に相当する濃縮度最大60%のウランを備蓄。一方で、それ以上の生産を停止する構えを見せ、米欧の出方をうかがっていた。報道によると、決議案にはIAEAがイランの核開発に関する包括的な報告書を作成することが盛り込まれているという。
IAEAのグロッシ事務局長は先週イランを訪れ、ペゼシュキアン大統領と初会談した。イランはこれまで、IAEAの監視体制強化やベテラン核査察官の受け入れを拒否してきた。
グロッシ氏は理事会の冒頭で、「イランとの意見交換は今後も続く見通しだ」と説明。イラン訪問時に、核査察官の受け入れに前向きな姿勢が示されたと評価した。


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