マクロン氏の与党連合が大敗の危機 フランス総選挙に迫る右翼の影

パリで2024年6月27日、市民団体や労働組合が開いた右翼「国民連合(RN)」への抗議集会に参加する市民ら=ロイター

 フランス国民議会(下院、定数577)の総選挙が30日から始まる。情勢調査によると、マクロン大統領率いる与党連合は3番手に沈み、敗北の危機にある。右翼「国民連合(RN)」が第1党に躍進すると予測されていて、そうなればウクライナ支援や移民政策が大きく揺れる可能性もある。

 マクロン氏は9日、欧州議会選で与党連合がRNに大敗したことを受け、「国民が自分自身と将来の世代のために最も公正な選択をする能力を信じる」と述べて、国民議会を解散し、総選挙の実施を決めた。

 フランスの総選挙は小選挙区制で、30日に実施される第1回投票でどの候補も得票率が過半数に届かなかった場合、有権者数の12・5%以上の票を得た候補が7月7日の決選投票に進む。今回も、大半の選挙区で決選投票にもつれ込むとみられる。

 与党連合は2017年6月、マクロン氏が大統領に就任した翌月の総選挙で350議席を得て大勝。しかし、22年の前回選挙では、ウクライナ危機に伴う物価高やトップダウン型のマクロン政治への国民の不満を受けて少数与党に転落。憲法の特例を使って採決を経ずに予算や年金改革法を成立させるなど厳しい政権運営を強いられてきた。

ジャンルで探す