フランス総選挙、第1回投票始まる マクロン与党連合が大敗の危機

パリで2024年6月12日、総選挙に向けて記者会見を開くフランスのマクロン大統領=ロイター

 フランス国民議会(下院、定数577)の第1回投票が30日、始まった。右翼「国民連合(RN)」の勝利が確実視される一方、マクロン大統領の与党連合は100議席前後にとどまると予測されている。候補者の多くが1週間後の決選投票に進めなければ、早々に大敗が決まる可能性もある。

 投票は午後8時(日本時間7月1日午前3時)に締め切られる。日本時間の午前にかけて大勢が判明し、7月7日に実施される決選投票の顔ぶれが出そろう見通しだ。

 今回の選挙でRNが大勝すれば、政策に大きな変化が生じる可能性がある。ロシアのウクライナ侵攻をめぐっては、マクロン氏が6月、戦闘機の提供を決めたほか、軍事教官をウクライナに派遣する意向を表明。RNはウクライナ支援を維持するとしているが、ロシア国内が射程に入る長距離ミサイルの提供や教官派遣には反対している。

 移民問題では、不法移民の規制強化を訴える与党連合に対して、RNは、外国人の両親のもとにフランスで生まれた子どもが18歳になると国籍を得られる「出生地主義」の廃止を約束。二重国籍者の権利制限も打ち出すなど、多様性に寛容な国のあり方を変える考えを主張している。

ジャンルで探す