MicrosoftとAtom Computingが2025年にも商用量子コンピューターを発売すると発表


2024年11月18日からMicrosoftが開催している開発者向け会議「Microsoft Ignite 2024」の中で、Microsoftが量子コンピューター開発企業のAtom Computingと共同で、2025年に商用量子コンピューターを発売すると発表しました。
Microsoft announces the best performing logical qubits on record and will provide priority access to reliable quantum hardware in Azure Quantum - The Official Microsoft Blog
https://blogs.microsoft.com/blog/2024/09/10/microsoft-announces-the-best-performing-logical-qubits-on-record-and-will-provide-priority-access-to-reliable-quantum-hardware-in-azure-quantum/

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Demonstrating high-fidelity gates and the world’s largest entangled logical qubit state in Atom Computing’s flagship systems - Atom Computing
https://atom-computing.com/high-fidelity-gates-and-the-worlds-largest-entangled-logical-qubit-state/

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Microsoft and Atom Computing will launch a commercial quantum computer in 2025 | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/11/19/microsoft-and-atom-computing-will-launch-a-commercial-quantum-computer-in-2025/
Microsoft and Atom Computing combine for quantum error correction demo - Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2024/11/how-to-fix-quantum-computing-errors-neutral-atom-edition/
Quantum computers hit a crucial milestone for error-free calculation | New Scientist
https://www.newscientist.com/article/2456985-quantum-computers-hit-a-crucial-milestone-for-error-free-calculation/
Microsoft and Atom Computing unveil 24-qubit quantum machine - Nextgov/FCW
https://www.nextgov.com/emerging-tech/2024/11/microsoft-and-atom-computing-unveil-24-qubit-quantum-machine/401140/
Microsoft and Atom Computing leap ahead on quantum frontier
https://www.geekwire.com/2024/microsoft-atom-computing-quantum-logical-qubits/
Microsoft and Atom Computing set to launch commercial quantum computer next year
https://betanews.com/2024/11/19/microsoft-and-atom-computing-set-to-launch-commercial-quantum-computer-next-year/
Microsoft and Atom Computing claim breakthrough in reliable quantum computing | Network World
https://www.networkworld.com/article/3608603/microsoft-and-atom-computing-claim-breakthrough-in-reliable-quantum-computing.html
MicrosoftとAtom Computingは、フォールトトレランス量子コンピューティングにおけるブレイクスルーとなる「レーザーで固定された中性原子を使用して24個の論理量子ビットを量子もつれさせること」に成功しました。
MicrosoftとAtom Computingによると、24個の論理量子ビットを量子もつれさせることに成功したのは、今回が初めてのことです。また、MicrosoftとAtom Computingは物理的な量子ビットを構成することとなる中性原子のひとつが消失したことを検出し、これを繰り返し修正することにも成功しています。
MicrosoftとAtom Computingは2025年にもこの技術をベースにした量子コンピューターを商業顧客向けに提供する予定。量子コンピューターには1000以上の物理量子ビットが搭載されることになると見込まれています。

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このシステムを使用してMicrosoftとAtom Computingは80個の物理量子ビットから20個の論理量子ビットを作成し、Bernstein-Vaziraniアルゴリズムを実行することに成功しています。Bernstein-Vaziraniアルゴリズムは1990年代に設計された古典的な量子アルゴリズムで、本質的には重ね合わせ(量子ビットが同時に0と1の両方になる能力)と干渉(重ね合わせのさまざまな部分が相互に干渉して有用な結果をもたらす返還を適用すること)の効果を実証するものです。古典的なコンピューターでは考えられるすべての組み合わせを試す必要がありますが、量子コンピューターでは一度にすべての組み合わせをテストできるため、1度のクエリだけで実行できます。
Microsoft Azure Quantumのテクニカルフェロー兼先進量子開発担当ヴァイスプレジデントであるクリスタ・スヴォア氏は、「このハードウェアとBernstein-Vaziraniアルゴリズムを20個の論理量子ビットで実行することで、物理的なパフォーマンスよりも優れたパフォーマンスが得られることを実証しました。このアルゴリズムでは、従来のものよりも優れたパフォーマンスが得られることがわかりました。これらの論理量子ビットで計算する能力を示し、さらにこれらの量子ビットで繰り返し損失補正を行うことができることも実証しています」と語りました。
Microsoftは2024年9月に論理量子ビットを12個作成することに成功したと報告していますが、この技術とAtom Computingの中性原子を使ったシステムの進歩が相まって、商用量子コンピューターの実現に近づいたとスヴォア氏は語っています。
Microsoftが論理量子ビットを12個作成したと発表、量子コンピューターの実用化に近づく成果 - GIGAZINE


中性原子を扱うことを難しくしている要因のひとつは、「時々消えてしまう」という特性を持っている点です。これはすべての量子コンピューターが解決しなければいけないノイズ問題に加えて発生します。原子のひとつが消えてしまったことに気付くことが課題であり、システムに原子をロードした直後に画像を撮影し、すべての原子が所定の位置にそろっているかどうかを確認することで、Microsoftは中性原子の減衰を監視するそうです。また、システムは発光を検出して原子が正しい位置にあるか否かを確認します。
スヴォア氏は「原子が失われると、それが起こったことを検知し、計算を停止せずにその損失を補填できるようにしたかったのです。それが、私たちが量子ビット仮想化システムにもたらす重要な要素です。私たちは、このタイプのハードウェアに現れる損失メカニズムを考慮し、仮想化システムを設計しました。量子ビット仮想化システムでは原子の損失を見つけて補正することで、その損失に対抗できます」と語りました。なお、スヴォア氏によると中性原子の損失修正が実証されたのも今回が初のことです。
Atom Computingの創設者兼CEOであるるベン・ブルーム氏は、「量子コンピューティングにおける重要なマイルストーンを達成しているMicrosoftとの協力関係を継続できることを嬉しく思います。当社の最先端の中性原子量子ビットをMicrosoftの量子ビット仮想化システムと組み合わせることで、商用量子マシン上で信頼性の高い論理量子ビットを提供できるようになりました。このシステムにより、化学や材料科学など、複数の分野で急速な進歩が可能になります」とコメントしました。

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