Microsoftが論理量子ビットを12個作成したと発表、量子コンピューターの実用化に近づく成果


量子コンピューターの実用化に向けて、エラー耐性に優れた論理量子ビットを大量に作成する技術の開発が進んでいます。新たに、Microsoftが信頼性の高い論理量子ビットを12個作成することに成功しました。
Microsoft and Quantinuum create 12 logical qubits and demonstrate a hybrid, end-to-end chemistry simulation - Microsoft Azure Quantum Blog
https://azure.microsoft.com/en-us/blog/quantum/2024/09/10/microsoft-and-quantinuum-create-12-logical-qubits-and-demonstrate-a-hybrid-end-to-end-chemistry-simulation/
Microsoft announces the best performing logical qubits on record and will provide priority access to reliable quantum hardware in Azure Quantum - The Official Microsoft Blog
https://blogs.microsoft.com/blog/2024/09/10/microsoft-announces-the-best-performing-logical-qubits-on-record-and-will-provide-priority-access-to-reliable-quantum-hardware-in-azure-quantum/
Quantinuum accelerates the path to Universal Fault-Tolerant Quantum Computing; supports Microsoft’s AI and quantum-powered compute platform and “the path to a Quantum Supercomputer”
https://www.quantinuum.com/blog/quantinuum-accelerates-the-path-to-universal-fault-tolerant-quantum-computing-supports-microsofts-ai-and-quantum-powered-compute-platform-and-the-path-to-a-quantum-supercomputer
Atom Computing: Building Quantum Supercomputers with Microsoft - Atom Computing
https://atom-computing.com/building-quantum-supercomputers-with-microsoft/
量子コンピューターにおける情報の基本単位が量子ビットです。量子ビットには「周囲の環境の影響を受けやすく、エラーが発生しやすい」という特徴があり、エラー耐性の向上が量子コンピューターの実用化における大きな課題となっています。
量子ビットのエラー耐性を高めるアプローチの1つとして「複数の物理量子ビットで1つの論理量子ビットを表現する」という手法があります。Microsoftは論理量子ビットの安定構築に向けて研究を続けており、2024年4月には「史上最も信頼性の高い論理量子ビット」を1度に4個作成できたことを発表しました。
新たに、Microsoftは量子コンピューター開発企業のQuantinuumと強力して「信頼性の高い論理量子ビット」を12個作成したことを発表しました。論理量子ビットの作成には、Quantinuumの量子コンピューターシステム「H2」を用いたとのこと。


Quantinuumは「100個以上の論理量子ビットを作成できる量子コンピューターシステム」を2029年にまでに開発することを目標としています。なお、Microsoftは、「信頼性の高い論理量子ビット」を100個搭載したスーパーコンピューターを構築すれば科学的な成果を期待でき、1000個搭載したスーパーコンピューターを構築すれば商業的な成果を期待できると述べています。


また、Microsoftは量子コンピューター開発企業のAtom Computingと協力して「世界で最も強力な量子マシン」をAzure Quantum上で提供開始することも発表しました。


MicrosoftとAtom Computingは量子コンピューターシステムの性能向上を目指して研究開発を続けており、システムの世代が1つ上がるたびに作成可能な論理量子ビットの数を10倍に増加させることを目標としています。


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