カナダがTikTokの運営を禁止、アプリの使用継続は可能

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カナダのジャスティン・トルドー政権が2024年11月6日に、国家安全保障上の懸念を理由にTikTokの国内事業の解散を命じたことがわかりました。カナダ国民は引き続きTikTokのサービスを利用することができますが、当局はデータが中国政府によって取得されるリスクを念頭に、アプリを使用する場合は十分に注意して使うよう呼びかけています。
TikTok must end business in Canada but app will stay available, Ottawa says - National | Globalnews.ca
https://globalnews.ca/news/10857366/tiktok-canada-business-order-national-security-review-decision/
Trudeau government bans TikTok from operating in Canada — but Canadians can still use it | CBC News
https://www.cbc.ca/news/politics/tiktok-canada-review-1.7375965
カナダのフランソワ=フィリップ・シャンパーニュ革新・科学・産業大臣は11月6日に、TikTokが国内に設置している事務所の閉鎖を命じたことを発表しました。
カナダ政府は、国家安全保障上のリスクをもたらす海外からの投資を審査および規制する「カナダ投資法(ICA)」に基づいてTikTokの調査を行っており、今回の決定はその調査の過程で収集された資料と証拠、およびカナダの安全保障・情報機関による助言を受けたものとされています。
シャンパーニュ氏は声明で、「カナダ政府は、TikTokとその事務所がカナダで行ったこれらの活動は国家安全保障に有害であるという結論に達しました。立場上、私には詳細を述べることができませんが、カナダ政府が国家の安全を守るために対策を講じているということを国民の皆さんが理解してくれると確信しています。これは重大なことです」と述べました。

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カナダでTikTokを使用すること自体は禁止されておらず、カナダ国民は引き続き個人の責任でTikTokアプリを利用することができますが、当局は注意を呼びかけています。
シャンパーニュ氏は「政府はカナダ国民のTikTokアプリへのアクセスやコンテンツ作成を阻止しているわけではありません。ソーシャルメディアのアプリやプラットフォームを使うかどうかは個人の選択です」と述べました。
カナダのニュースメディア・Global Newsによると、TikTokはトロントとバンクーバーに複数の事務所を構えていますが、カナダでの事業規模は同じくTikTokを強く警戒しているアメリカに比べるとはるかに小さいとのこと。
TikTokは、この命令に対して法廷で異議を申し立てる方針です。
TikTokの広報担当者は「TikTokのカナダ事務所を閉鎖し、数百人分の高給の地元雇用を破壊することは誰にとっても利益になりませんが、今回の閉鎖命令はまさにそのような結果を招くでしょう」と述べました。

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TikTokは若者から絶大な支持を集めているSNSですが、中国企業が運営していることからプライバシーや安全性への懸念が高まっており、アメリカでは2024年4月にTikTokの事業売却か撤退を求める「TikTok禁止法」が成立したほか、欧州委員会もTikTokの禁止をほのめかしています。
中国企業が運営するアプリに懸念を抱いているのは西側諸国だけではなく、インドは2020年にはTikTokを含む59の中国製アプリの使用を禁止していたほか、ネパールも2023年にTikTokの禁止措置を打ち出していました。
世界的な懸念の高まりを受けて、カナダ政府は2023年に政府の機器でTikTokを使用することを禁止していましたが、カナダの政治家らは依然としてTikTokを選挙運動や有権者への呼びかけに活用しています。
しかし、トルドー首相は2024年5月、カナダ安全情報局(CSIS)の長官がTikTokを「真の脅威」と呼んだことを受けて、「カナダ国民は耳を傾ける必要がある」と述べていました。
元CSIS長官のデビッド・ビニョール氏は地元メディアに対し、「多くの人が『なぜティーンエイジャーが自分のデータをTikTokに載せることに大騒ぎしているのか』と思っているかもしれません。ですが、5年後、10年後にはそのティーンエイジャーが若者になり、世界中で活躍するようになるでしょう」と指摘した上で「個人的には、TikTokを使うことは絶対にお勧めできません」とコメントしました。

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