Uberが旅行予約のExpediaを買収しスーパーアプリ化することを検討中、実現すればUber史上最大の買収に
配車サービスやフードデリバリーサービスを提供するUberが、旅行予約サービスのExpediaの買収を検討していると、イギリスの経済メディア・Financial Timesが報じました。
Uber explored possible bid for Expedia in ‘super app’ growth push
https://www.ft.com/content/94a25bf7-e62b-462a-a4f0-e4feb6e244f7
The Dream Deal: Uber Exploring Buying Expedia, Says FT
https://skift.com/2024/10/16/the-dream-deal-uber-exploring-buying-expedia-says-ft/
Expedia stock jumps on report of acquisition interest by Uber - MarketWatch
https://www.marketwatch.com/story/expedia-stock-jumps-on-report-of-acquisition-interest-by-uber-808da5d6
Financial Timesが関係者から入手した情報によると、Uberはここ数カ月にわたってExpediaへの買収提案を検討している模様。事情に詳しい匿名の3人の情報源によると、UberによるExpedia買収は初期段階にあり、第三者経由で買収案をExpediaに持ちかけた段階にあるそうです。UberはExpediaに正式には連絡を取っておらず、両社間での協議は行われていないとFinancial Timesは報じました。
Uberによる買収アプローチは「友好的」なものになると予想されており、Uberのダラ・コスロシャヒCEOは買収交渉に関わらない可能性が高い模様。その理由は、コスロシャヒCEOが若い頃にExpediaのバリー・ディラー会長と出会い、同氏のもとで働いた経験があるためです。また、コスロシャヒCEOは2005年から2017年までExpediaのCEOを務めてり、現在も同社の非常勤取締役を務めています。
2024年時点での時価総額はUberが1730億ドル(約25兆9000億円)であるのに対して、Expediaは約196億8000万ドル(約2兆9500億円)です。そのため、買収が実現すればUberにとって過去最大の買収となる可能性が高いです。
Expediaは2024年第1四半期(1~3月)にバケーションレンタル予約サイトのVrboの人気低迷、第2四半期(4~6月)には「旅行需要の低迷」により、業績予想を下方修正しました。Expediaは傘下のブランドをひとつのプラットフォームに統合する計画を1年以上前から宣伝しており、計画自体は完了しているものの、その恩恵はまだはっきりと現れていません。
しかし、Expediaグループが傘下に持つホテルズドットコムやVrboなどのブランドを総合した客室泊数は、2024年第2四半期に10%増加しており、これは過去1年以上の期間で最大の伸びです。また、この客室拍数の伸びは競合他社であるAirbnbやBooking Holdingsを上回っています。
UberのコスロシャヒCEOは、2021年10月にニュースメディア・Skiftのインタビューの中で、Uberが列車や飛行機の予約といった分野に事業拡大を目指していることを明かしていました。
Uber CEO Dara Khosrowshahi at Skift Global Forum 2021 - YouTube
Expediaの買収が実現すれば、Uberの事業と消費者へのリーチは大幅に拡大し、新たな成長の道筋を持った「スーパーアプリ」となるための取り組みが強化されることになります。
Skiftが買収についてコメントを求めたところ、Expediaにコメントを拒否しました。MarketWatchもUberとExpediaの両社にコメントを求めていますが、Expediaは「ウワサや憶測についてはコメントしません」と述べており、Uberはコメント要請に応じませんでした。
なお、買収報道を受け、10月16日(水)にExpediaの株価は時間外取引で7.2%も急騰しています。
10/17 19:00
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