「早期解約手数料はAdobeにとってヘロインのようなもの、なくすと会社が打撃を受ける」とAdobe幹部が言及か


早期解約手数料が必要となることを目立つように表記せず、また、解約の簡単な手順も示していなかったとして連邦取引委員会(FTC)がAdobeを提訴していた問題で、Adobeの幹部が「(早期解約手数料は)Adobeにとってヘロインに似たもの」であり「ビジネスに打撃を与えることなく、手数料を廃止したり、明示したりする方法は絶対にない」と述べていたことがわかりました。
Adobe exec compared Creative Cloud cancellation fees to ‘heroin’ - The Verge
https://www.theverge.com/2024/7/25/24205774/adobe-ftc-lawsuit-creative-cloud-cancellation-fees-heroin
Adobe Exec Says Early Termination Fees Are 'Like Heroin' for the Company | PetaPixel
https://petapixel.com/2024/07/25/adobe-exec-says-early-termination-fees-are-like-heroin-for-the-company/
Adobeは、サブスクリプションを解約するときの早期解約手数料の存在をわかりにくくしていた点や、手続きそのものを複雑にしていた点などが「違法なビジネス慣行」とみなされ、FTCから訴えられていました。
「Adobeのサブスクリプション解約手続きは難しすぎて詐欺的」と連邦取引委員会がAdobeを提訴 - GIGAZINE


ニュースサイトのThe Vergeは、FTCが公開した未編集の訴状の中に、あるAdobeの幹部による「(早期解約手数料は)Adobeにとってヘロインのようなもの」という発言があることを取り上げました。
訴状ではこの発言の他に、「解約手続きが難しいことや、早期解約手数料について顧客が不満を抱いている」という調査結果を、Adobeが社内で認識していたことも明らかになっています。
Adobeの法務顧問兼最高信頼責任者であるダナ・ラオ氏は、FTCの訴状と、訴状内で幹部の発言が引用されたことについて「何年も前の一般社員のコメントを、文脈を無視して取り上げることに失望しています」とコメントしたとのこと。ニュースサイトのPeta Pixelに対してラオ氏は「サブスクリプションのビジネスに関してすべてのことに関する歴史的なコメントとして、何万もの文書をFTCに提出しました。彼らは、その中でこの発言を見つけて、今回の件とは関係ないものにも関わらず、訴状に加えました」と語っています。
ラオ氏によれば、当該発言をした人物はシャンタヌ・ナラヤンCEOの部下ではなく、早期解約手数料を課すかどうか決める立場にないそうです。
また、ラオ氏はThe Vergeに対して、早期解約手数料はAdobeの年間売上高の0.5%にも満たないものであり、Adobeのビジネスの原動力にはなり得ず、ビジネスの意志決定にも関係しないと説明したとのこと。
なお、早期解約手数料をはっきりと示すことについて、ラオ氏は「顧客の契約期間がどれぐらい残っているかによっても変わるため、(明確に提示することは)簡単なことではありません」と述べています。

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