Metaのマーク・ザッカーバーグCEOがクローズドソースでAIを開発する競合他社を「神を創っているとでも思っているのでは」と批判


Metaのマーク・ザッカーバーグCEOが、YouTuberのケイン・サッター氏によるインタビューの中で、競合するAI企業の開発がクローズドソースで行われていることに触れ、「まるで神を創っていると思っているようだ」と批判したと報じられています。
Mark Zuckerberg on Creators, AI Studio, Neural Wristbands, Holographic Smart Glasses, Picasso & More - YouTube

Zuckerberg disses closed-source AI competitors as trying to 'create God' | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/06/27/zuckerberg-disses-closed-source-ai-competitors-as-trying-to-create-god/
ザッカーバーグCEOはインタビューの中で、「人々のさまざまな興味を反映するために、さまざまなAIが作られる必要があります。AI技術とは独占されるべきものではなく、1つの企業が自社の中心的な単一製品の開発に利用するものでもないと思います」と語り、AI技術をクローズドソースで開発する企業を批判しました。
さらにザッカーバーグCEOは、「ハイテク業界の人々が『唯一の真なるAI』の構築について語るのに、私はずいぶんうんざりしています。彼らはまるで神か何かを創っていると思っているようですが、それは単純に私たちがやっていることではありません。現実になるとは思えないのです」とコメントしています。
ザッカーバーグCEOは、「クローズドなAIプラットフォームを構築することが、人々にとって最高の体験を生み出す方法だとは思いません。できるだけ多くの人に、さまざまなことに挑戦する力を解放してほしいのです。つまり、それが文化というものなのです。特定のグループがみんなのために牛耳るわけではありません」と述べました。


さらにザッカーバーグCEOは、「AIの研究所にいると、自分のやっていることが非常に重要なことだと感じたくなるのはわかります。つまり、『未来につながる唯一の真実を構築しているんだ』という感じですよね。しかし現実的に見ると、物事はそううまくいきません。人々が使っているスマートフォンにインストールされるアプリは1つではありません。コンテンツのクリエイターも1人ではありません。誰もが欲しがるビジネスというものは1つもありません」と語り、AIは人々のさまざまな興味を反映するために作られるべきだとしています。
IT系ニュースサイトのTechCrunchは、「『MetaがAppleのエコシステムに自社のAIを統合しようと交渉に乗り出したが、却下された』という報道が出た直後なので、ザッカーバーグCEOのコメントはやや負け惜しみのように感じられる」と評しています。
AppleにAI関連でMetaとパートナーシップを結ぶ計画はなく、AI提供の申し出も拒否したとの報道 - GIGAZINE


また、Metaが開発を進めているMR(複合現実)技術については、液晶や有機ELの小型ディスプレイとレンズを搭載するヘッドアップ型ディスプレイだけではなく、Ray-Ban Metaのようなスマートグラス、そして3D映像を表示するフルホログラフィックディスプレイの開発も視野に入れているとのこと。ただし、ザッカーバーグCEOは「短期的には前者の方が人気が出る」とみています。
ザッカーバーグCEOは、MRは将来的に「ヘッドアップ型ディスプレイ」「ディスプレイのないスマートグラス」「フルホログラフィックディスプレイ」という3つの異なるスタイルで展開されていくと予測。さらにリストバンド型のコントローラーを使うことで、手をほとんど動かすことなく神経インターフェースで操作が可能になるだろうと述べました。
なお、この「リストバンド型コントローラー」は、2019年にMeta(当時Facebook)が買収したスタートアップのCTRL-Labsで研究されていたもので、Metaは記事作成時点もなおVR向けの入力装置としての実用化を目指しています。
「脳を読むリストバンド」開発のスタートアップをFacebookが買収 - GIGAZINE

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