VRChatがチームの規模を30%縮小し従業員を解雇

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同名のコミュニケーションサービスを運営するVRChatが、多くの従業員を解雇するという決定を下しました。グラハム・ゲイラーCEOが全従業員に宛てて送信したメールが公式フォーラムで公開されています。
An Email from our CEO - Official / Official Notes - VRChat Ask Forum
https://ask.vrchat.com/t/an-email-from-our-ceo/25060

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ゲイラーCEOによると、VRChatは過剰雇用と人材マネジメントの不足という問題を抱えていて、経営陣は「事業の健全性と成長を支えるには現在のチームの規模では大きすぎる」と考えたそうです。ゲイラーCEOはメールの中で「とても辛く悲しいお知らせとなります。チームの規模を約30%縮小し、その過程で多くの優秀なチームメンバーとお別れすることになりました。これはVRChatにおいて最も困難な変化であり、(共同設立者の)ジェシー(・ジョードリー)と私はここに至った決断に全責任を負っています」と伝えました。
ゲイラーCEOいわく、VRChatはこれまで「個人貢献者(管理責任のない専門職)」がメンバーのほとんどを占めていた「フラットな組織」だったとのこと。市場の成長と共に2022年まではこの形態で会社も成長していたものの、それ以後は成長レベルが鈍化し、収益と製品規模に対して組織が肥大化してしまったとのこと。事業として多くのアイデアやプロジェクトに取り組んだものの、全員が同じ目標に向かうように調整する管理層がいなかったために、物事が順調に進まなかったそうです。
その後に管理層を据えて整備した結果、現在の資金調達環境は厳しく、指標を大幅に改善しなければ資金調達に苦労する可能性が高いと判断したとのこと。そして、収益性と事業の成長のバランスをとる5カ年計画を構想する中で、チームを約30%削減する必要があるという厳しい結論に達したと伝えられています。

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ゲイラーCEOは、退職するメンバーに対して12週間の基本退職金を支払い、別途勤続年数に応じた退職金を追加すると案内しています。このほか、医療保険料の支給やストックオプションの権利確定、転職にかかる支援も提供される予定。VRChatならではの報酬として、サブスクリプションのVRChat Plusを生涯利用できるようにすることと、VRChatに勤めていたことを示すバッジの支給、VRChatでビジネスを始めたいと思う退職者に手数料を減額するサービスなども提供されます。
ゲイラーCEOは「退職者は質で選んだわけではなく、変化するビジネスと市場を反映したにすぎません。皆さんの情熱、献身、創造性なくして今日の私たちはありません。職を失うことを埋め合わせることはできませんが、私たちは離職するチームメンバーをできる限り丁重に扱い、次の仕事への移行を支援するために最善を尽くすつもりです」と述べました。

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