WP EngineがWordPress開発元のAutomatticとマット・マレンウェッグCEOを提訴、WordPress商標を巡る争いはついに法廷へ


ウェブホスティングプロバイダーのWP Engineが、ウェブコンテンツ管理プラットフォームのWordPressの開発企業であるAutomatticとマット・マレンウェッグCEOを告訴しました。WP Engineは、AutomatticとマレンウェッグCEOから「法外なライセンス使用料を支払うように、法的措置をほのめかして脅迫された」と主張しています。また、AutomatticとWordPress.comの幹部もマレンウェッグCEOから法的措置をちらつかされたと告白しました。
WPENGINE, INC., a Delaware corporation vs AUTOMATTIC INC., a Delaware corporation; and MATTHEW CHARLESMULLENWEG, an individual,
(PDFファイル)https://wpengine.com/wp-content/uploads/2024/10/Complaint-WP-Engine-v-Automattic-et-al.pdf
“Nice Guy” Matt Mullenweg, CEO of WordPress.com Cries Foul and Threatens Me With Legal Action | by Kellie Peterson | Oct, 2024 | Medium
https://medium.com/@kelliepeterson/nice-guy-matt-mullenweg-ceo-of-wordpress-com-cries-foul-and-threatens-me-with-legal-action-f116ac57d862
WP Engine sues WordPress co-creator Mullenweg and Automattic, alleging abuse of power | TechCrunch
https://techcrunch.com/2024/10/02/wp-engine-sues-automattic-and-wordpress-co-founder-matt-mullenweg/
この問題は、マレンウェッグCEOが2024年9月末のユーザーイベントに登壇した際に、WordPress特化のサービスを提供するWP Engineを名指しで批判したことがきっかけとなって始まりました。
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マレンウェッグCEOは「WP EngineはWordPressの開発コミュニティに貢献していない上に、WordPressを改変したサービスが本物のWordPressであるかのようにうたっている」と主張。WP Engineは事実無根だと反論しましたが、AutomatticはWP Engineに対してWordPress商標の使用停止を通告。さらに、WP Engineのwordpress.orgへのアクセスをブロックすることを発表しています。
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AutomatticはWordPress商標について、「WordPressの商標を非営利目的で使用する権利はWordPress Foundationが所有しており、営利目的で使用する権利はAutomatticが所有している」と説明しています。
AutomatticとマレンウェッグCEOの対応に対して、WP Engineは「過去10日間にわたるマレンウェッグCEOの行為は、重大な利益相反とガバナンスの問題を露呈しており、放置すれば信頼を失墜させる恐れがあります。私たちは社員、代理店パートナー、顧客、そしてより広範なWordPressコミュニティを守るために、これらの申し立てを追及する以外に選択肢はありません」と述べ、提訴に踏み切りました。
Matt Mullenweg and Automattic’s self-proclaimed scorched earth campaign against WP Engine has harmed not just our company, but the entire WordPress ecosystem. The symbiotic relationship between WordPress, its community and the businesses that invest millions to support WordPress…— WP Engine (@wpengine) October 3, 2024
WP Engineは、AutomatticならびにマレンウェッグCEOがWordPressの商標使用料として数千万ドル(数十億円)を支払うように要求し、拒否した場合は法的措置に出ると脅迫したと主張。WP Engineが使用料の支払いを拒否したところ、「ユーザーイベントでの発言」「wordpress.orgへのアクセス遮断」「WP Engineについての虚偽の発言をSNSで拡散する」「WP Engineの顧客に契約解除を促す」といった行為を行ったとして、恐喝未遂や名誉毀損(きそん)、不正競争などの法律違反にあたると指摘し、行為の差止めと損害賠償を求めています。
AutomatticはWP Engineに対して使用料の支払いを求めていたことは認めており、「数年間にわたって使用料についての交渉を行ってきたが、2024年9月頃にWP Engine側からの連絡が途絶えた」と主張しています。
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さらに、WordPress.comとAutomatticの幹部であるケリー・ピーターソン氏は、「マレンウェッグCEOの行動に同意しない従業員に対して、高額の退職金付きで自主退職するよう促されているというウワサがあります。この状況はチャンスで、LinkedInで人材を探すのにいい機会です。Automatticの従業員で退職したいけど転職先が見つからないという人がいれば、手伝うので連絡してください」とつぶやいたところ、マレンウェッグCEOから「従業員を辞めるように言っただろう」というダイレクトメールが飛んできて、法的措置をほのめかされたと告白しています。


ピーターソン氏は「マレンウェッグCEOは私だけでなく他の多くの人に対しても親切でした。しかし、同時に彼は相手を軽蔑し、侮辱し、士気を下げるような人でした。私や私の部下、同僚は皆マレンウェッグCEOの気分や気まぐれな暴れっぷりに振り回されていました」とコメント。さらに、「マレンウェッグCEOは無責任に権力を行使し、AutomatticやWordPress、wordpress.orgを支配してきました。WordPress、コミュニティ、より広範なエコシステムの健全性、Automatticの従業員、そしてあなた自身の投資のためにも、私が望むのは、みなさんが行動を起こし、マットの行動に責任を取らせることです」と投資家に向けて訴えました。

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