Samsungが元Apple幹部を責任者とするAI特化の研究センターを新設

Samsungが元Apple幹部を責任者とするAI特化の研究センターを新設 - 画像


SamsungがAI研究に特化した北米の2つの研究センターを統合し、この新しいAI研究センターの責任者に元Appleの幹部を起用する予定であることが報道により明らかになりました。
Samsung Taps Ex-Apple Executive Murat Akbacak to Lead North America AI Center - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-06-11/samsung-taps-apple-siri-veteran-to-lead-north-american-ai-group


Samsung is combining two North American research centers focused on artificial intelligence technology and hiring an ex-Apple Inc. executive to run the new group https://t.co/1gmTTCUIRy— Mark Gurman (@markgurman) June 11, 2024

Bloombergの報道によると、Samsungは2024年6月の第3週に入ってからカナダのトロントとアメリカのカリフォルニア州マウンテンビューにあるAIに特化した研究センターを統合し、北米AIセンターと呼ばれる新しい組織を新設する予定であることを社内向けに通知したそうです。
Bloombergが独自に入手したSamsungの内部資料によると、同社は業務改善と効率化のために2つのAIセンターを統合する模様。ただし、記事作成時点では2つのオフィスがどうなるのかは明らかになっていません。
Bloombergは「この動きは世界最大のテクノロジー企業のひとつであるSamsungが、AI分野への投資を積極的に進めていることを示す最新の兆候のひとつです。SamsungやAppleのようなデバイスメーカーにとって、AI機能は消費者に頻繁に技術をアップグレードしてもらうための手段と考えられています」と指摘しています。
新設されるAIセンターの責任者となるのは、元Appleの幹部であるムラット・アクバッカク氏。Samsungの内部資料によると、同氏はAppleで「パーソナライゼーション、コンテクスト化、会話型およびマルチモーダルAIの進歩に焦点を当て、AppleのパーソナルアシスタントであるSiriの戦略を定義・実行する責任者」だったそうです。

Samsungが元Apple幹部を責任者とするAI特化の研究センターを新設 - 画像


BloombergはAppleおよびSamsungに今回の報道についてコメントを求めていますが、記事作成時点では返答は得られていません。
AppleはWWDC24の中で、iPhone・iPad・Macで使える新しいパーソナルAIの「Apple Intelligence」を発表しました。Apple IntelligenceではOSとSiriおよびChatGPTが密接に統合されており、これまでよりもスマートかつシームレスにSiriがユーザーの求めることを実現してくれます。
なお、AppleはOSとOpenAIのテクノロジーを密接に統合していますが、Apple Intelligenceの大部分はApple社内で設計されたものです。アクバッカク氏はこの新しいApple Intelligenceの開発に携わっていたというだけでなく、Microsoftでも音声認識アシスタントの開発に携わっていたという人物です。

Samsungが元Apple幹部を責任者とするAI特化の研究センターを新設 - 画像


一方で、SamsungはGoogleの開発するチャットボットであるGeminiを使用したAI機能をサポートしています。ただし、AppleもApple IntelligenceでGoogleのGeminiを利用することを計画していると、同社の幹部が証言しました。
Apple幹部がGoogleのAI「Gemini」をApple製品に統合する意向を示す - GIGAZINE


カナダのトロントはAI研究が盛んな土地で、大手テクノロジー企業に多くの人材を供給している土地でもあります。カナダ発のAI技術として、BloombergはMetaの顔認証アルゴリズムや、Googleの写真アプリ、スマートフォンの音声認識技術などを挙げました。

ジャンルで探す