AppleがiPhone向けのAI機能を強化するべくGoogleのGeminiを採用するとの報道

AppleがiPhone向けのAI機能を強化するべくGoogleのGeminiを採用するとの報道 - 画像


Appleが2024年9月にリリースを予定している「iOS 18」では、新しいAI機能が複数登場するとウワサされています。新たに、iOS 18のAI機能ではGoogleのチャットボット・Geminiを利用する可能性が報じられました。
Apple in Talks to License Google Gemini for iPhone, iOS 18 Generative AI Tools - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-03-18/apple-in-talks-to-license-google-gemini-for-iphone-ios-18-generative-ai-tools


Apple may hire Google to power new iPhone AI features using Gemini—report | Ars Technica
https://arstechnica.com/information-technology/2024/03/apple-may-hire-google-to-power-new-iphone-ai-features-using-gemini-report/
Bloombergの報道によると、AppleはGoogleのチャットボットであるGeminiをiOS 18に統合するべく、Googleとライセンス供与について交渉中であることが報じられました。Geminiはユーザーが入力した簡単なプロンプトをベースに、画像や文章を作成することが可能です。iOS 18とGeminiが統合されることとなれば、AIを用いたさまざまな機能がiPhoneで利用できるようになる可能性があります。
ただし、GoogleとAppleのライセンス契約の条件やブランド名などの詳細は不明なままであるため、2024年6月に開催されるAppleの年次開発者向け会議であるWWDCの中で、「この契約について発表される可能性は低い」とBloombergは指摘しています。
Appleの音声認識アシスタントである「Siri」は、複雑な質問を理解して応答する点で、大規模言語モデル(LLM)を活用した新しいAIアシスタントに後れをとっています。しかし、iOS 18とGeminiが統合されることとなれば、Siriも最新のAIアシスタントと同等の応答が可能となるはずです。
なお、AppleがSiriに大規模言語モデルを採用することは以前から報じられており、iOS 17.4ベータ版のコード上ではOpenAIのChatGPTをSiriで利用していることが明らかになっていました。
AppleがChatGPTを利用した「大規模言語モデル搭載のSiri」のテストを行っていることが報じられる、iOS 17.4のベータ版のコードからその存在が明らかに - GIGAZINE


AppleはLLMを開発するためのフレームワーク「Ajax」と、これを用いた独自のチャットボット「Apple GPT」を開発していることが報じられていますが、AppleのAI関連テクノロジーは競合他社に比べて遅れていると言われており、Googleや他のAI企業との提携がより魅力的な選択肢となる可能性は高いとBloombergは指摘しています。
Appleは世界中で20億台以上のアクティブデバイスを保有しているため、AppleとGoogleが提携することになれば、AI業界に大きな影響を与える可能性があります。GoogleはiPhoneやその他のAppleデバイスのデフォルト検索エンジンにGoogle検索を採用してもらうために、年間数十億ドル(数千億円)をAppleに支払っていますが、AppleとGoogleのGeminiに関するライセンス契約がまとまれば、両社の提携はさらに発展することとなります。
ただし、AppleとGoogleの検索エンジン契約についてはアメリカ司法省が訴訟を進めているため、両社の提携がさらに発展することとなれば、さらなる規制当局からの厳しい追求が行われることとなるだろうとBloombergは指摘しています。

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