AppleがついにChromeとFirefoxのフルバージョンをiPhone上で動かすことを許可

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AppleがiOS 17.4でWebkit以外のブラウザエンジンを許可し、ChromeやFirefox、OperaなどSafari以外のブラウザを完全に動作させることを可能にしたことが明らかになりました。これはEUのデジタル市場法(DMA)施行を受けての対応で、EU圏のユーザーにのみ適用されます。
Apple announces changes to iOS, Safari, and the App Store in the European Union - Apple
https://www.apple.com/newsroom/2024/01/apple-announces-changes-to-ios-safari-and-the-app-store-in-the-european-union/

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Update on apps distributed in the European Union - Support - Apple Developer
https://developer.apple.com/support/dma-and-apps-in-the-eu/#browser-alt-eu
Using alternative browser engines in the European Union - Support - Apple Developer
https://developer.apple.com/support/alternative-browser-engines/
Apple is allowing alternative browser engines in iOS 17.4 — but only in the EU - The Verge
https://www.theverge.com/2024/1/25/24050478/apple-ios-17-4-browser-engines-eu
AppleはiOS上でさまざまなブラウザを動作させることを許可してきましたが、許可したブラウザエンジンはWebkitのみでした。このため、Chromiumエンジンで動作するChromeやEdge、Geckoエンジンで動作するFirefoxなどがiOS上ではWebkitでの実行を余儀なくされており、多くの機能や拡張機能が動作しませんでした。
ところが、2024年1月26日に発表されたiOS 17.4のベータ版では、Appleが史上初めてWebkit以外のエンジンの使用を許可していることがわかりました。Appleによると、ブラウザアプリを開発する人、あるいはアプリ内ブラウザを開発する人は誰でも、希望すればWebkit以外のエンジンを使うことができるとのこと。
各開発者は、特定の基準を満たし、継続的なプライバシーとセキュリティの緩和を約束した場合のみ、Appleによって使用が承認されます。

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またAppleは、初めてSafariを開いたユーザーにデフォルトブラウザを選択させる画面を表示することも明かしています。DMAは、「ゲートキーパー」と認定された企業の製品やサービスに誘導するウェブブラウザなど、プリインストールアプリをユーザーがアンインストールできるようにすることを規定しており、Appleの場合はiOSにプリインストールされているSafariがこれに当たりますが、AppleがSafariをアンインストールできるようにするかは記事作成時点では明らかではありません。
Appleは新機能を発表するリリースの中で明らかに怒りをにじませており、デフォルトブラウザを選択させる画面を表示することは「初めてSafariを開いたときの体験を中断させる」と説明しています。

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またブラウザエンジンについても「潜在的に悪意のあるコンテンツに常にさらされ、機密性の高いユーザーデータを可視化できるもので、悪意のある行為者にとって最も一般的な攻撃手段の一つとなり得る」と指摘。Cookieをデフォルトでブロックすること、新機能開発よりも脆弱(ぜいじゃく)性修正を優先することなど多数の要件を設け、これらを約束した開発者にのみ代替ブラウザエンジンの実装を許可すると述べました。

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