X(旧Twitter)の2023年度広告収益は25億ドルで前年から15億ドルもの減収となる見通し

イーロン・マスク氏が所有するX(旧Twitter)の2023年における広告収益が25億ドル(約3600億円)となり、前年比で約15億ドル(約2100億円)の落ち込みを迎えそうだと報じられています。
Elon Musk’s X 2023 Ad Revenue Projected to Slump to About $2.5 Billion - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-12-12/musk-s-x-2023-ad-sales-projected-to-slump-to-about-2-5-billion

Elon Musk’s X ad revenue reportedly fell $1.5B this year amid boycotts | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2023/12/stop-comparing-xs-dismal-ad-sales-to-twitters-past-success-x-exec-says/

Xはその収益の大部分を広告に依存していますが、マスク氏が2022年10月に当時TwitterだったXを買収して以降、主要広告主の半数以上がXへの広告出稿を停止しており、広告による収益が急落していることが報じられています。2023年7月には、広告収益が最大時から50％も減少していることをマスク氏自身が明らかにしています。
イーロン・マスクが「Twitterは広告収入が50％減しキャッシュフローは依然としてマイナス」とぶっちゃける - GIGAZINE

特に、2023年11月にマスク氏が反ユダヤ主義的な投稿への支持を表明したことから、Appleやディズニーなどの大手広告主が広告出稿を一時停止するに至りました。マスク氏は後に謝罪したものの、広告主に暴言を吐いたことで話題となりました。
イーロン・マスクがディズニーなど広告出稿を停止した広告主に「くたばっちまえ」と反撃 - GIGAZINE

関係者がBloombergに語ったところによると、Xは2023年第1～第3四半期(1月～9月)でそれぞれ6億ドル(約840億円)強の広告収益をあげており、第4四半期(10月～12月)でも同様の業績を予想しているとのこと。つまり、2023年全体の広告収益はだいたい25億ドルにのぼるとみられます。
しかし、Bloombergによれば、2022年では1四半期当たり10億ドル(約1400億円)の広告収益があったとのこと。つまり、通年の広告収益が40億ドル(約5700億円)だった2022年と比較して、2023年の広告収益は全体で約15億ドルの落ち込みが予想されます。
Bloomebergは「Xがマスク政権下でコンテンツ管理にどのように対応しているか、特に反ユダヤ主義やその他の過激派の見解を増幅させる新オーナーの投稿に対する広告主の不安をより明確に浮き彫りにしています」と述べています。

by duncan cumming
関係者によれば、Xの総収益の70～75％は広告収益だそうで、ここにサブスクリプションやデータライセンス契約の収益も含めると、2023年度全体の総収益はおよそ34億ドル(約4800億円)になると考えられます。マスク氏がTwitterを買収する直前の2021年に、ジャック・ドーシーCEO(当時)は「2021年の収益は50億ドル(約7000億円)を超えました。2023年末までに75億ドル(約1兆500億円)の収益を達成するという公的目標を設定しました」とコメントしていたことを踏まえると、34億ドルという総収益はかなり厳しいと考えられます。
Xの事業運営責任者であるジョー・ベナロッチ氏はBloombergに対して、「あなたがたが情報源として頼っているものが正確で包括的な詳細を提供していないので、私たちのビジネス全体に対する見方が不完全なものとなっています」と反論しています。