AIや夜景撮影を強化、シャオミから「Xiaomi 14T」シリーズ2機種が発表

シャオミは2024年9月26日にドイツ・ベルリンで新製品発表会を開催し、Xiaomi 14Tシリーズ2機種「Xiaomi 14T」「Xiaomi 14T Pro」を発表した。Xiaomi 14Tの価格は699ユーロ(約10万5,000円)、Xiaomi 14T Proの価格は799ユーロ(約13万円)で、ヨーロッパやアジア各国で販売予定。日本市場への投入は現時点では不明だ。

○Dimensity 9300+搭載、Light Fusion 900カメラセンサーの「Xiaomi 14T Pro」

上位モデルのXiaomi 14T Proはメディアテックの現時点で最上位チップセット、Dimensity 9300+を搭載するハイパフォーマンスなモデルとなる。ディスプレイは6.67型で解像度は2,712×1,220ピクセル、リフレッシュレートは144Hzと高く、輝度は4,000nitsと高く屋外での視野性も良い。フロントには3,200万画素カメラを搭載する。

カメラは5,000万画素の広角、5,000万画素の2.6倍望遠、1,200万画素の超広角のトリプル仕様。一見すると前モデル「Xiaomi 13T Pro」と同等に見えるが、広角カメラにはLight Fusion 900センサーを搭載、ライカの「Summilux」レンズを搭載。また望遠は2倍から2.6倍へと性能を高めた。

本体デザインは「チタンデザイン」を謳ったメタリック感のある高級な仕上げ。電源ボタンにはアクセントとなるスリット状のデザインをあしらった。角を丸めたエッジデザインとすることで握りやすさも高めている。なお本体カラーは「Titanium Black」「Titanium Gray」「Titanium Blue」の3色だ。

本体下部はオーソドックスなデザインにまとめた。側面の角を丸めたデザインがわかるだろう。バッテリーは5,000mAhで120Wの急速充電に対応。満充電に要する時間はわずか19分だ。また「T」シリーズとして初となる無線の急速充電にも対応し、こちらの性能は50Wとなる。

カメラ部分は2段階のバンプ形状。Xiaomi 14Tシリーズはカメラ性能の中でも夜間撮影を強化しているとのこと。実機を入手次第レビューする予定である。

○AI機能も大幅に強化、GoogleのGeminiも搭載

OSはAndroidをベースとしたシャオミ独自のHyperOSを搭載。シャオミの他のスマートデバイスとの連携に強く、Windows PCとの連携も強化された。なお今回の発表会ではロボット掃除機なども発表されたが、シャオミが多数展開するスマート家電もHyperOSにより自在なコントロールが可能だ。なお展示されているモデルに技適は無かった。昨年のXiaomi 13Tシリーズは日本独自モデルとして投入されたが、今回のXiaomi 14Tシリーズも日本投入があるなら何らかのローカライズが施されるとも考えられる。

Xiaomi 14T ProはAI機能も向上している。旅行時に便利な同時通訳機能や画像・動画の編集機能、音声のテキスト化と要約機能など、日常生活やビジネスシーンで使えるAI機能を内蔵。実際に録音のテキスト化を試してみたが、発表会後のタッチアンドトライスペースのかなりうるさい環境の中でも、日本語で録音した音声ファイルのテキスト化を行ってくれた。またそこからの翻訳や要約もかなり正確に実行できた。固有名詞などまだ手直しが必要な部分があるが今後改良されていくだろう。

GoogleのGeminiもプリインストールされており、音声を使った会話形式で質問などができる。この他に「かこって検索」など、グーグルのAIでおなじみの機能も利用可能だ。

○ビデオ撮影も強化されたカメラ

カメラは前述したように5,000万画素+5,000万画素+1,200万画素の組み合わせとなる。カメラのモードは「プロ」「映画(Movie)」「ビデオ」「写真」「ポートレート」「ドキュメント」「その他」となる。写真モードでは画面右上のLEICAアイコンのタップでLeica AuthenticとLeica Vibrantモードが切り替え可能。なお望遠の最大デジタル倍率は30倍だ。

ポートレートモードでは倍率表示がレンズ焦点表示となり、レンズ特性を生かした人物撮影がしやすくなる。新たにLeica Portraitモードが搭載され、これも画面右上のLEICAアイコンのタップでONとOFFの切り替えが行える。

ビデオモードでは8K 30fpsまでの録画に対応。前モデルは8K 24fpsまでだった。こちらにも新しいモードとしてMaster Videoが搭載され、画面右上のアイコンのタップでONとOFFを切り替える。

誰でも簡単に映画のような動画が撮影できるという映画モード(英語ではMovie Mode)も新たに搭載。人物の顔を自動認識しピントをしっかりと合わせつつ、背景のボケも巧みにコントロールしてくれるという。1ステップ上の動画を撮影したいユーザー向けのモードだ。

その他には夜景モードや5,000万画素で撮影する50MPモード、他のHyperOS搭載スマートフォンのカメラを利用できるデュアルビデオといったモードが利用できる。

○スペックを抑えたXiaomi 14T

Xiaomi 14TはXiaomi 14T Proのスペックを抑えたモデル。チップセットはメディアテックDimensity 8300 Ultraで、ディスプレイは同じ6.67型、2,712×1,220ピクセル、144Hz、輝度4,000nitsで、フロントカメラも同等の3,200万画素である。

カメラも5,000万画素+5,000万画素+1,200万画素と同じ構成だが、メインカメラのセンサーはソニーのIMX906を採用している。なおこちらもレンズはライカSummiluxだ。本体カラーは「Titan Black」「Titan Gray」「Titan Blue」に加え、PU素材の「Lemon Green」の4色となる。

本体側面を見るとこちらもソリッドな質感だが、フレームの角は丸めておらずよりソリッドなイメージを受ける。実際に手に持ってみても両者の握り心地は若干異なる。

Xiaomi 14TとXiaomi 14T Pro、同色同士で比べてみた。正面から見ると大きな差は感じられないものの、Xiaomi 14T Proのほうがディスプレイのエッジがやや丸みを帯びていることがわかる。

背面から見ると両者のデザイン差はより明確にわかる。Xiaomi 14TのほうがXiaomi 14T Proより横幅があるように見えるが、実際は両者同じサイズだ。

側面を比較。Xiaomi 14TのほうがXiaomi 14T Proより薄いが、側面だけを見ると両者あまり変わらなく見える。

山根康宏 やまね やすひろ 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど取材の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から百万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1,800台に達する。公式サイト:http://www.hkyamane.com/ この著者の記事一覧はこちら

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