コンビニで買えない=不便なのかもしれない

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本稿の内容とは直接関係ありません(国が本格的に調整に乗り出すという話で、特定のコンビニチェーンが実際に売り出すことにした、という話ではないです) Image: Terence Toh Chin Eng / Shutterstock.com

これからお薬は“かかりつけ”のコンビニで。

日経新聞によると、厚生労働省は薬剤師や登録販売者がいないコンビニで一般用医薬品を購入できるようにする見通しです。一般用医療薬品というのは、ロキソニン(鎮痛薬)やガスター10(胃腸薬)といった、ちょっとしんどいときに飲むお薬のこと。

あれ? うちの近所にもう医薬品を売ってるコンビニあるんだけど。という方はとてもレアな存在です(その比率は日本全体のコンビニの0.7%と非常に少ないです)。

現在の法律(医薬品医療機器法)では、薬剤師や登録販売者がいない店舗で第1〜3類の医薬品を扱うことができないため、ほとんどのコンビニで消費者は医薬品を購入することができないのです。

今、コンビニで医薬品を扱うのは敷居が高い

現在でも薬剤師や登録販売者がいるコンビニでは、一般医薬品を販売している店舗もあるにはあるんですが…。そのような資格を持つ人材を確保するハードルが高く、ごくごく一部の店舗でしか販売できていないのがのが実情です。

全国のコンビニ5万7260店のうち、 医薬品販売店舗数は424店(2023年2月時点ー日本フランチャイズチェーン調べ

そこで厚生労働省は年内に医薬品医療機器制度部会でこの方針をまとめる予定で、2025年に国会への提出を目指し、そして法律改正が実現すれば早くて2026年〜2028年には施行される見通しとなっています。

実現したらどう処方してもらうのか

法改正後の世界では医薬品を購入するためには、薬剤師や登録販売者から購入を許可してもらう必要があります。その許可出しに想定されるのが専用のスマホアプリ。薬剤師や登録販売者から薬に関する説明を受け、乱用の疑いもないことが確認できれば購入許可が降り、医薬品が購入できる仕組みになる見込みです。

これは以前ギズモードで紹介したAmazonファーマシーと似た仕組み。Amazonファーマシーの場合は、オンラインですべて完結し、

Amazonファーマシー内からCLINISアプリへ移動→オンライン診察をして電子処方せんをもらう→Amazonファーマシーで電子処方せんを利用→オンラインor薬局にて服薬指導→配送or店舗にて処方薬を受け取る

という流れでした。完全に同じ仕組みになるかは分かりませんが、恐らくこれと近い形になるんじゃないかという気がします。

旅先や夜間にドラッグストアを駆け回る日とは、もうおさらば!

深夜にドラッグストアへ駆け込んで、お店は空いてるけど、薬剤師がいないから薬が買えなかった…なんて経験がある方もいるのではないでしょうか? 夜間だけでなく、旅先や帰省先で突然発熱した、胃が痛くなった…そんな時に限って体調は崩れるもの。薬がコンビニで手に入れば辛い時間を軽減できるんです。

薬局が少ない田舎、たとえば年末年始の帰省先でも、コンビニなら薬局よりもたどり着くハードルはぐっと下げられるはず。そんな危機を脱出できるシチュエーションを考えるだけでこの改正案はとても歓迎できる内容ではないでしょうか! 都会であっても辛い症状の中、子どもを連れて病院でほぼ1日近く待ち、診察を受けて、薬をもらうまでの時間的、金銭的コストをオンラインや近場で解決できるのならぐっと楽になりそう。むしろそれだけで気持ちも晴々として、体調も快復しそうです。

日常に普及したら通勤途中の電車で急に胃が痛くなった時に、駅のキオスクで胃薬がスマホ決済で買えるようになると助かるなぁ。

Source: NIKKEI, 厚生労働省

家から一歩も出ずに処方薬が受け取れる。「Amazonファーマシー」がスタート

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