ChatGPTの新機能「Canvas」は仕事に活用できるのか?
Lifehacker 2024年10月7日掲載の記事より転載
2022年後半にChatGPTが発表されて以来、文章作成やコーディングなど、完成度に違いがあれど、生成AIツールを活用している人も多いでしょう。
OpenAIは、同社のモデルがコラボレーションツールとして機能することを期待しているようです。
同社は現在「Canvas」という機能を導入しており、これは本質的にはChatGPTをAI搭載のワードプロセッサーに変える機能です。
「Canvas」とは?
Canvasは、OpenAIのGPT-4oモデルをもとに構築されています。
そのため、モデル選択画面から「ChatGPT 4o with canvas」を選択することで、この機能を有効にすることができます。
OpenAIはプロンプトに応じてCanvasを自動的に起動するように構築しています。
たとえばChatGPTにブログ記事を書くよう依頼すると、Canvasが開くようになっています。(ChatGPTにCanvasを開くよう指示することもできます)。
OpenAIは以下のようにも述べています。
ChatGPTにそれほど複雑でない編集作業を依頼した場合は、Canvasが起動しないようにトレーニングしてあります。
Canvasがアクティブになると、問い合わせ内容が新しいウィンドウに表示され、Googleドキュメントやワードのようにテキストやコードが表示されます。
ここから、ほかのワードプロセッサーと同様に文章を書き続けることができます。
ユーザーはいつでも好きなときに好きなことを書き続けられるので、ChatGPTにすべての作業をさせるのが目的ではありません。
もちろん、文章がどうしても書けないときはいつでもChatGPTに助けを求めることができます。
個々の単語、文章、または段落をハイライトし、太字、イタリック体、見出しサイズなどの書式オプションにアクセスできるだけでなく「ChatGPTに質問する」をクリックして選択した内容について問い合わせることもできます。
私は文章の最後に「こんにちは」と入力し、それをハイライトしてChatGPTにその単語が適切かどうか尋ねてみることに。
ChatGPTは私に返答する代わりに、その単語を削除。そして「場違いと思われる『こんにちは』という単語を削除しました」と言いました。
実際なにができるの?
・絵文字を追加:文書全体に「関連性のある」絵文字を自動的に散りばめます。
・最終的な仕上げを追加:ChatGPTがユーザーの文章を文法や明瞭さなどの観点からチェックし、必要に応じて自動的に変更を加えます。
・読み手に応じて読みやすさを変更:このオプションは、ユーザーの文章の読みやすさのレベルを調整します。 幼稚園、中学校、高校、大学、大学院から選択できます。私の経験から言うと、大学院は「命令」や「促進」といった「難しい」単語をランダムに入れているようです。 一方で、ChatGPTが幼稚園レベルの読解力に応じて書く文章を幼稚園児が読むのは難しいでしょう。
・長さを調整する:ChatGPTに文章を長くしたり短くしたりするように指示することができます。
・編集を提案:ChatGPTがユーザーの文章を読み、変更を加える部分をハイライトします。 Googleドキュメントにインラインノートを付けて返す編集者のような感じです。これらの提案を自動的に適用するか却下するか選択できます。 たとえば、ChatGPTは2つの異なる場面で追加した絵文字を削除してほしいと私に求めましたが、私は却下しました。
Canvasを使用することでChatGPTは、ほかの生成AIライティングツールとある程度競合することになります。
もっとも特筆すべき競合相手は、コンテンツを専用のウィンドウに移動できるAnthropicのArtifactsでしょう。
また、AppleのAIをいつでも呼び出して文章の書き直しに役立てることができるApple Intelligenceとも競合しています。
もちろんOpenAIは、Google ドキュメントのGeminiやMicrosoft WordのCopilotなど、専用ワープロソフトのAIアシスタントとも似ています。私はこの機能には一定のメリットがあると思います。
AIエディターは、テキストのなかでより明確にできる箇所を指摘してくれるため、より良い文章を書くことや自己編集力を向上させるのに役立つ可能性があります。
しかし実際には、生成AIが作成したテキストにありがちな問題を抱えています。
たとえば「読みやすさを変える」に関して、特に読解力の高い読み手を対象として変更する場合ですが、通常ボットがここという箇所を見つけると、不自然に難しい単語が挿入されることになります。
また、編集の提案の多くは役に立たないか、文章から個性を排除しようとしているように私は感じました。
これはまだベータ版ですが、ほとんどのAIライティングツールと同様に、私は仕事にはCanvasは使わないつもりです。
Canvasはコードの編集用にも設計されています。
私はコードの書き方を知らないので、個人的な経験に基づいて語ることはできませんが、OpenAIはコーディングのショートカットとして以下をあげています。
・レビューコード:「編集を提案」と同様に、このオプションはコードにインライン編集を提案します。
・ログを追加:このオプションは、コードのデバッグと理解を助けるための PRINTステートメントを追加します。
・コメントを追加:コードの横にコメントを挿入して、理解しやすくします。
・バグの修正:問題を見つけ、それを修正するためにコードを書き換えます。
・言語に変換:コードをJavaScript、TypeScript、Python、Java、C++、PHPに変換します。
Canvasのベータ版を試してみたいなら、ChatGPT PlusかTeamsをサブスクする必要があります。
その条件さえ満たせば、この機能は今すぐ利用できます。
OpenAIがテストを継続しているので、いずれは無料アカウントにも展開するでしょう。
Image: generated by NapkinAI,OpenAI
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GIZMODO