効率的=カッコいい。動画のプロ機材が集結するイベントに行ってきた

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Photo: 武者良太

プロ機材って高いけどワクワクするよね。クリエイティブという目的のために、とことん効率を追求した設計になっているんだから。

2024年7月9日~10日の2日間。映像クリエイターのためのカンファレンスイベント「ビデオグラファーズトーキョー 2024」が開催されました。入場料がかかるとはいえ、映像制作の現場でフル回転して大活躍している映像ディレクター、撮影監督、ビデオグラファー、モーションデザイナー、CG・VFXアーティストのセッションが無料で見られるとあって、会場はオールウェイズ大賑わい!

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様々な企業ブースが並ぶ展示フロアでも、1日めの午前中からこのとおりですからね。プロフェッショナルクリエイターも学生さんも、だれもが各社の最新商品群に目を奪われていました。その中からギズモード的に推しのアイテムやサービスを紹介しましょう。

プロ用メモリカードリーダーはまるでレンガサイズ

まずはサンディスクのブースにあった「PRO-DOCK 4」をピックアップ。SD/microSD、コンパクトフラッシュ、CFexpress、 CFast 、RED MINI-MAGの専用高速カードリーダーを挿せる4つのスロットがあるボックスですが、装着するカードリーダーの種類を自分で選べるんです。

何台ものカメラを使った撮影現場は、記録済みのデータを母艦となるPCに保存するのが大変ですが、PRO-DOCK 4があれば4枚のメモリカードをまとめてセットして1つ1つバックアップできるんです。これならメモリカードの読み込み忘れもなくなりそう

PRO-BLADE SSD Magという外付けSSDを4機まで挿せるPRO-BLADE STATION」もありました。4K~8Kの高解像映像を長時間録画する場合は外付けSSDをストレージとして使うのがポピュラーですが、USBケーブルを何度も抜き差しするのはあちこちに負担がかかるため、SSD部だけを抜いてバックアップ用機材で読み込ませる専用リーダー込みのソリューションを作ったんですって。

ブタっ鼻みたいなVRレンズの小型・お手頃価格版がついに登場

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キヤノンのブースには、先日発売されたばかりのAPS-Cサイズカメラ用VRレンズ「RF-S 3.9mm F3.5 STM DUAL FISHEYE」がありました。EOS R7と組み合わせることで、高解像な実写VR動画が作れるシステムです。

今までにもキヤノンは、フルサイズ用のVRレンズ&EOS R5/R6 Mark II を組み合わせた実写VRシステムを提供してきましたが、 撮影画角が180度と極めて広いために荷物や撮影機材の映り込みを防ぐのに一苦労。システム全体の価格も極めて高くなっちゃって、おいそれとは買えないアイテムだったんですよ。

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そこでRF-S 3.9mm F3.5 STM DUAL FISHEYEは、余計なものが映り込みにくいように撮影画角を144度に抑えています。実はAPS-Cの4K動画カメラでも高解像な実写VR動画が撮れるし、レンズ&カメラはコンパクトだし、お値段もフルサイズシステムの半額くらいで収まってる。もういい事だらけ。

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撮影した動画はQuest 3やVision Proで没入感たっぷりに見ることができますよー。XRヘッドセットがもっと売れていく時代になれば絶対に必要とされるこの撮影システム。今のうちから手に入れて、ライバルに先駆けて3D動画を作っていくのもいいかも?

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1インチセンサーを搭載したVlogカメラの「PowerShot V10」もありました...。なんだこれ、アタマのダブルもふもふなんだこれ。カワイイじゃない。

SmartRig製の専用ケージをつけることで、ご覧のようなファー付き風防を2つのマイク部に固定できるようになるんですね。これはとっても優れもののアクセサリーです。

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チルトディスプレイの画面が見えなくなるから自撮りがしにくいというデメリットもあるけど、上半分は見えるのであとは慣れさえすれば!

4台のソニーカメラを一括管理できるiPad/iPhoneアプリ

別途モバイルWiFiルーターは必要になるけど、4台までのソニー製カメラが捉えている画角を確認し、レンズの焦点距離や絞り、フォーカス位置を手元で変更できる一括管理アプリがソニーの「Monitor & Control」。対応カメラはFX6、FX3、FX30、α1、α9 III、α7S III、そしてCineAltaカメラのBURANOとなります。

ユーザーインターフェースはCineAltaに寄せたガチすぎる仕様。プロの映像カメラマンがシネマカメラを操っているときと同じ感覚で操作できるんですって。

ワンオペで4カメを操れる魔法といっても過言じゃない。映像クリエイターの生産力アップまちがいありません。

4mmの極薄有機ELタブレットは映像クリエイターにも人気

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PCの前にあるこの薄い板。モバイルモニターかな、って思うじゃないですか。

実はこれ、ペン入力ができる液晶タブレットなんです。いや、有機ELパネルを使っているから有機ELタブレットか

ペンの滑りと摩擦のバランスがよく、描き心地よし。想像以上に硬いフレームで安心できる。

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最薄部はわずか4mm。もっとも厚みある部分でも6.6mmです。普段使っているモバイルPC+この厚みで、クリエイティブな仕事環境を持ち運べちゃうって、なんだか未来にやってきた感じするね!

スチルカメラとして注目度高いZ6IIIは動画カメラマンも熱い視線を送っていた

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そしてニコンもそれがわかってる。からこそ、SmartRigのケージをつけて展示をしていました。

複雑なボディ形状に沿って作られた専用ケージ防御力抜群だし、ご覧のようにハンドルをつければ機動力も大幅にアップしますね。

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雲一つない太陽光線に照らされる天気でも、被写体をしっかりと見通せる広ダイナミックレンジなEVFに、8Kテレビは普及していない現在はベストバランスな6K動画撮影機能。これからのクリエイティブを支える名機になるでしょうね、Z6IIIは。

Photo: 武者良太

Source: ビデオグラファーズトーキョー

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