メルカリに出した商品が海外に渡ることも…一体なぜ? 手続きを担う公式バイヤー「Buyee」を取材した
フリマアプリに出品したことがある人なら、「公式バイヤー」を名乗るアカウントを見かけたり、商品を購入されたりした経験があるかもしれません。実際、メルカリは海外の消費者からの依頼で購入手続きを行う「越境EC事業者」と連携し、国の枠組みを越えた取引(=越境取引)をサポートしています。
越境取引の認知度は徐々に高まってきていますが、まだまだ“謎めいた取引”だと感じるユーザーも多い様子。そこで今回は、越境EC「Buyee」を運営するBEENOSに、越境取引の流れや、安全・安心な取引に向けた取り組みについてお話を聞きました。
ただ、せっかく日本を訪れても、目当ての商品を購入できるとは限りません。特に市販されていないものやレアなものは手に入りにくい場合も。そこで活躍しているのが越境取引です。
BEENOSが運営する越境ECサイト「Buyee」は、日本やアメリカ、韓国のECサイトで販売されている商品を代理で購入し、依頼主へ発送するサービスを提供しています。流通額は右肩上がりに推移しており、2024年1~6月期は前年比42.4%増を記録。エリア別に見ると、流通総額1位はアメリカで、2位が香港、3位が台湾となっています。
そのBuyeeがメルカリとの業務提携を発表したのは2019年11月のこと。以来、海外の消費者からの依頼を受けてメルカリ上の商品の購入手続きを行っています。今ではBuyeeを含む70件以上の越境EC事業者がメルカリと公式に連携しており、累計取引件数は2024年現在、1700万件を超えています。
Buyeeはさまざまなサービスと連携して越境取引を行っていますが、今回はメルカリにおける越境取引の流れについて教えてもらいました。
ほしい商品が決まったら、注文を確定します。
Buyeeが注文者に宛てて商品を送ります。
Buyeeではメルカリに出品されている無数の商品の中から目当てのものを探すことができますが、管理状態に注意が必要な商品や、禁制品(法律上、海外に輸送できない品物)に該当する可能性のある商品については、アラートを表示しています。
そのような商品は原則として購入できない仕組みにしていますが、商品によっては問題がないことを確認後、購入依頼を受け付ける場合もあります。
また、商品のことで出品者に質問がある場合は、注文者に代わってBuyeeが出品者に質問します。
出品者から送られてきた商品を検品している様子。ここでもし注文した商品と異なっていたり、商品に破損などがあったりしたら、出品者に問い合わせます。
商品に問題がなければ、注文者のもとへ送る準備に入ります。梱包材は多くの場合、出品者から送られてきたときのものをそのまま使用します。ただし国際配送に耐えられないような状態であれば、注文者に確認の上、「厳重梱包サービス」(別途料金が発生)を使って再梱包することもあります。
車の部品や、昔喫茶店にあったゲーム機など、大型の商品が購入されることも。このような大型商品も、注文者に確認の上、再梱包する場合があります。
おまとめ梱包サービスの商品を管理している様子。サイズに注意をはらい、できるだけコンパクトに梱包しています。
そうしたユーザーの思いはBuyee側も理解しており、出品者にも安心して取引してもらうための取り組みを進めています。Buyeeを運営するBEENOSの広報・友寄寛子さんは、「まずは越境取引が行われている事実を知ってもらうこと、そして着実に取引実績を伸ばし、評価を見て安心していただくことが大切」と話してくれました。
Buyeeをはじめとする越境EC事業者についてはメルカリもWebサイトで公表しています。出品者も「越境取引のアカウントに購入されたかな?」と思ったら調べてみるといいでしょう。
一度越境取引を経験すれば、普段の取引と大きくは変わらないことが理解でき、その後も安心して取引できると思います。越境取引は今後もさらに増えていきそうですから、まだ経験したことのない人も、近いうちに取引する機会があるかもしれません。
<参考>
・メルカリ、「越境取引2024年上半期トレンド」を発表
・越境販売(公式越境販売サービス)
(文:川崎 さちえ(フリマアプリ・ネットオークションガイド))
越境取引の認知度は徐々に高まってきていますが、まだまだ“謎めいた取引”だと感じるユーザーも多い様子。そこで今回は、越境EC「Buyee」を運営するBEENOSに、越境取引の流れや、安全・安心な取引に向けた取り組みについてお話を聞きました。
日本のものが人気を集める中、メルカリの商品にも熱い視線が
近年、日本へのインバウンドはかなり伸びています。国土交通省の「観光の現状について」によると、2024年6月の訪日外国人旅行者数は約314万人と単月では過去最多を記録しました。さまざまな報道を見るに、観光地はもちろん、日本のものに興味を示し訪日する人も少なくないようです。ただ、せっかく日本を訪れても、目当ての商品を購入できるとは限りません。特に市販されていないものやレアなものは手に入りにくい場合も。そこで活躍しているのが越境取引です。
BEENOSが運営する越境ECサイト「Buyee」は、日本やアメリカ、韓国のECサイトで販売されている商品を代理で購入し、依頼主へ発送するサービスを提供しています。流通額は右肩上がりに推移しており、2024年1~6月期は前年比42.4%増を記録。エリア別に見ると、流通総額1位はアメリカで、2位が香港、3位が台湾となっています。
そのBuyeeがメルカリとの業務提携を発表したのは2019年11月のこと。以来、海外の消費者からの依頼を受けてメルカリ上の商品の購入手続きを行っています。今ではBuyeeを含む70件以上の越境EC事業者がメルカリと公式に連携しており、累計取引件数は2024年現在、1700万件を超えています。
メルカリにおける越境取引の流れ
Buyeeはさまざまなサービスと連携して越境取引を行っていますが、今回はメルカリにおける越境取引の流れについて教えてもらいました。
1. 注文が入る(Buyeeに購入依頼をする)
利用者はBuyee内のショッピングサイト一覧から「メルカリ」にアクセスし、ほしい商品を見つけます。日本語が分からない海外のユーザーでも商品の選択や購入がしやすいよう、翻訳言語は18言語を用意しています。ほしい商品が決まったら、注文を確定します。
2. Buyeeが代理で購入し、出品者に発送を依頼する
注文依頼を受けて、Buyeeがメルカリの出品者から商品を購入します。出品者からは「BUYEE公式アカウント○○」(○○は数字)というアカウントに商品を購入されたように見えます。3. 出品者が商品を発送する
出品者は普段通り取引を進めれば問題ありません。商品を梱包し、指定の住所に宛てて発送します。4. Buyeeの倉庫に商品が届く
Buyeeの倉庫に商品が届いたら、Buyeeで商品の状態をチェックします。問題がなければ、出品者に対して受取評価を行います。出品者からの評価が終われば、取引は完了です。
5. 海外の注文者に商品を発送する
Buyeeが注文者に宛てて商品を送ります。商品に関する問い合わせへの対応
注文者からの商品に対する問い合わせにも対応します。Buyeeではメルカリに出品されている無数の商品の中から目当てのものを探すことができますが、管理状態に注意が必要な商品や、禁制品(法律上、海外に輸送できない品物)に該当する可能性のある商品については、アラートを表示しています。
そのような商品は原則として購入できない仕組みにしていますが、商品によっては問題がないことを確認後、購入依頼を受け付ける場合もあります。
また、商品のことで出品者に質問がある場合は、注文者に代わってBuyeeが出品者に質問します。
商品に不備があった場合は返金対応をとることも
Buyeeでは4つのプランを用意しており、配送保障や検品保証がついた有料プランもあります。プランによっては、倉庫からの商品発送~到着までの間に不備が見つかった場合、注文者に返金する場合もあります。倉庫内の様子を見せてもらった
海外輸送までの間、商品を管理するための倉庫を見せてもらいました。検品作業の様子
出品者から送られてきた商品を検品している様子。ここでもし注文した商品と異なっていたり、商品に破損などがあったりしたら、出品者に問い合わせます。
梱包作業の様子
商品に問題がなければ、注文者のもとへ送る準備に入ります。梱包材は多くの場合、出品者から送られてきたときのものをそのまま使用します。ただし国際配送に耐えられないような状態であれば、注文者に確認の上、「厳重梱包サービス」(別途料金が発生)を使って再梱包することもあります。
車の部品や、昔喫茶店にあったゲーム機など、大型の商品が購入されることも。このような大型商品も、注文者に確認の上、再梱包する場合があります。
まとめて梱包される商品たち
コレクターアイテムなどの商品は一度に複数注文される場合もあるため、Buyeeでは配送料を抑えられる「おまとめ梱包サービス」を用意しています。おまとめ梱包サービスの商品を管理している様子。サイズに注意をはらい、できるだけコンパクトに梱包しています。
安全・安心な取引に向けた取り組み
越境取引の仕組みや舞台裏を知れば、「安心して取引できそう」と感じる出品者も増えてくるでしょう。しかし、変わった名前のアカウントから突然「代理で商品を購入しています」というメッセージが来たら、驚いてしまうのも無理はないかもしれません(実際、筆者も初めてBuyeeに購入されたときは少し心配でした)。そうしたユーザーの思いはBuyee側も理解しており、出品者にも安心して取引してもらうための取り組みを進めています。Buyeeを運営するBEENOSの広報・友寄寛子さんは、「まずは越境取引が行われている事実を知ってもらうこと、そして着実に取引実績を伸ばし、評価を見て安心していただくことが大切」と話してくれました。
Buyeeをはじめとする越境EC事業者についてはメルカリもWebサイトで公表しています。出品者も「越境取引のアカウントに購入されたかな?」と思ったら調べてみるといいでしょう。
一度越境取引を経験すれば、普段の取引と大きくは変わらないことが理解でき、その後も安心して取引できると思います。越境取引は今後もさらに増えていきそうですから、まだ経験したことのない人も、近いうちに取引する機会があるかもしれません。
<参考>
・メルカリ、「越境取引2024年上半期トレンド」を発表
・越境販売(公式越境販売サービス)
(文:川崎 さちえ(フリマアプリ・ネットオークションガイド))
11/14 21:50
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