50代で「ニッチな部分で稼ぐコンサル」になる方法

ニッチで稼ぐコンサルの教科書 40代から始める一生モノの仕事

今は、誰でも、どこに住んでいても、どんな状況でも、ニッチで稼ぐコンサルタントになるチャンスがあります(写真:mits/PIXTA)
一生この仕事を続けていけるだろうか。定年後はどう過ごしたらいいのか。特技も資格もなく、新しい仕事を始められるだろうか。そんな悩みを抱える人に、新たな活躍の場を与えてきた林田佳代さんの著書『ニッチで稼ぐコンサルの教科書 40代から始める一生モノの仕事』から、自分の強みを生かせるコンサルタントの仕事について一部引用・再編集してご紹介します。

コンサルは理想の仕事だった

年齢を重ねて、企業での経験を積み重ねてきたからこそできる仕事。それがコンサルタントの仕事です。

ここで言うコンサルタントとは、朝から夜まで休みなく働き続けるモーレツなコンサルタントではありません。仕事も、家庭も、趣味も、楽しみながら人生を謳歌できる、ニッチな部分で稼ぐコンサルタントになる方法です。

ニッチな部分とは、小さな市場や活動の領域のことです。自分の強みとも言いかえられます。今は、誰でも、どこに住んでいても、どんな状況でも、ニッチで稼ぐコンサルタントになるチャンスがあります。

仕事をしながら、プライベートの時間も充分に持てる。こんな働き方があることをご存じでしたか? ワークライフバランスがとれていると感じる人は、ストレスレベルが低く、生活の満足度や幸福度が高いという報告があります。

特に、今まで会社に勤めていて自分の時間が充分にとれなかった人にとって、仕事も旅行も家族との時間も大切にできるコンサルタントの仕事は、理想の働き方ではないでしょうか。

お金儲けだけではなく、社会の役に立ちたい。仕事を通して誰かの役に立ちたいと思っている人は多くいます。私の周りでは、そのような思いを持ったコンサルタントが、ワークライフバランスを重視して、幸せにお仕事をされています。みなさん、自分の強みを充分に活かして、仕事とプライベートのバランスがとれた、豊かな人生を歩んでいます。

私の経営する会社には研修講師、コンサルタント合わせて約600名がいます。どんな人が活躍しているかご紹介しましょう。

今いる環境から一歩出てみる勇気を持つ

銀行で支店長の経験がある50代後半のIさんは、今まで多くの経営者の課題に向き合ってきました。当然、会社の決算書も見ることができます。過去の経験から、相談に来た会社が融資を必要としているのか、その前に経営の立て直しが必要なのか、会社の決算書を見るだけでわかってしまいます。

Iさんは「数字を見ると会社の状態がすぐにわかります」と言います。長年の銀行での経験がそのスキルを育んだのは間違いありません。しかし、当の本人は「そんなことはできて当たり前、周りの人も普通にできていたから」と言います。しかし業界が変われば、銀行マンが周りにたくさんいて、数字を見ることができるのが当たり前という状況も変わります。

今までいた世界から一歩出て銀行以外の世界に行くと、ご自身の「決算書を見ただけで会社の経営状態が手に取るようにわかる」といったスキルがキラキラと輝いてくるのです。

もちろん、ご自身が今いる会社や今までの環境から一歩外に出ないと、そのことには気がつきません。ぜひみなさんには、外の世界に出る勇気を持ってもらいたいです。そして「自分のスキルは他の人と違ってどこが魅力的か」を探してみていただけたらと思います。

とはいえ、自分で自分の良いところはなかなか発見できないもの。そのために志を同じくした仲間との勉強会が非常に重要になってきます。

将来に不安はありませんか?

自分のスキルの特徴に早くから気がついて、コンサルタントとして活躍を始めている人がいる一方で、定年退職や役職定年を前にして、自分のキャリアをまったく考えていない人もいます。

定年後は、「ゆっくり過ごしたい」「もう仕事は嫌だ」とおっしゃる方もいます。仕事をしていると毎日休みがあるなんて夢のようだ、と思うのでしょうが、休みが続くと、だんだんと不安な気持ちになってくる方もいます。

定年退職して、一定の期間は旅行したり、趣味を満喫したりしたとしても、また仕事をしたいと思ったときに仕事ができるノウハウを身につけておけば、安心して自由な時間を満喫できます。

毎日働いていた人が、外に出なくなったとたん、急に老けてしまうのを見ると、定年後に何もしない生活はお勧めできないな、と考えてしまいます。定年後、環境が変わっても、毎日行くところがあって、やることがある毎日は、生活に張り合いが出るのだと思います。それがすなわち、若さにつながるのかもしれません。

作者は不明(所説あり)なのですが、私があるコンサルタントに教えてもらった、仕事や幸せに関する言葉があります。一生をかけてやりがいのある仕事を持つことの大切さが実感できます。

・世の中で一番楽しく立派な事は、一生涯を貫く仕事を持つという事です。
・世の中で一番みじめな事は、人間として教養のない事です。
・世の中で一番さびしい事は、する仕事のない事です。
・世の中で一番みにくい事は、他人の生活をうらやむ事です。
・世の中で一番尊い事は、人の為に奉仕して決して恩にきせない事です。
・世の中で一番美しい事は、全ての物に愛情を持つ事です。
・世の中で一番悲しい事は、うそをつく事です。

しっかりと定年前から準備をしてコンサルタントのノウハウを身につけると、定年になっても自分の経験を活かした仕事を持てます。する仕事があって、人のために奉仕もできるのです。そのためには、10年後を見据えた、学びと計画が必要です。

定年退職後に感じる、「あるある」事例集

今の仕事を定年退職したら、どうなるのでしょうか。「こんなときどうするの?」あるある事例集を作りました。

・今まで、毎日行くところがあって、やることが山積みだったが、明日からは何もすることがない。
・毎日家にいると、家族から邪魔者扱いをされてしまった。
・毎日家にいると、掃除や洗濯、食事の支度を頼まれていやになってしまった。
・やりたくない家事を手伝うことになって、イライラし、ストレスが爆発してしまった。
・家にいるのも退屈なので、毎日、図書館に行っている。
・図書館やスポーツクラブに行っているが、自分が世の中から必要とされていないのではないかと不安になる。
・定年後は旅行三昧と思っていたけど、だんだんとお金が無くなってきた。
・収入が無くなったので、お金が足りるか不安がある。
・誰からも必要とされていない無価値な自分を感じて、落ち込んでしまう。
・生活に張り合いが感じられない。

このようなコメントは、定年後の多くの人から実際に聞いた言葉です。

自分のニッチな部分での知識やノウハウを伝えることによって、多くの方の役に立てる仕事は、本人にとってもやりがいや生きがいを感じられるようです。ぜひ、みなさんもご自身の本当の強みを見つけて、その強みを活かせるコンサルタントの仕事にチャレンジしていただけたらと思います。

ニッチで稼ぐコンサルの教科書 40代から始める一生モノの仕事

(林田 佳代 : ソフィアコミュニケーションズ代表取締役)

ジャンルで探す