日経平均午前の終値、1849円安の3万7980円…自民党総裁選の大幅高から揺り戻し

 週明け30日の東京株式市場はほぼ全面安となっている。日経平均株価(225種)は一時、前週末終値に比べて1900円超下落した。前週末は大幅高で取引を終えたが、自民党総裁選の結果を受けて揺り戻しが起きた。午前の終値は、1849円22銭安の3万7980円34銭だった。

 前週末27日は、午後の総裁選第1回投票で高市経済安全保障相が首位に立った。高市氏は日本銀行の利上げ方針に反対して金融緩和に前向きな姿勢を示しており、外国為替市場では1ドル=146円台半ばまで円安・ドル高が進んだ。円安による企業業績の改善を見込み、日経平均は前日比903円高の3万9829円で取引を終えた。

下落した日経平均株価を示す街頭のボード(30日午前、東京都中央区で)=三浦邦彦撮影

 しかし、取引終了後の決選投票では石破茂氏が逆転勝利した。日銀の利上げ方針を尊重する石破氏が新総裁に選出されたのを受け、円相場は逆に1ドル=142円台まで急騰した。

 前週末から円高・ドル安基調が続いたことで、30日の東京市場では、海外事業の業績に逆風となる自動車や電機、機械株が大きく下落している。米ハイテク株安を受けて、半導体関連株の値下がりも目立つ。

 石破氏が総裁選で、富裕層を念頭に置いた金融所得課税の強化や、法人税の引き上げに言及したことも、投資家心理に影響している模様だ。

 石破氏は、岸田内閣の経済政策を基本的に引き継ぐ方針も表明している。UBS証券の守屋のぞみ氏は「企業や金融市場に友好的な枠組みは、大きく変わらずに維持される可能性がある。今後のかじ取りに注目する」と述べた。

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