自民党総裁選で円相場が乱高下…高市氏首位で1ドル=146円台、石破氏選出で142円台に急騰

 27日の東京外国為替市場の円相場は、自民党総裁選の開票結果を受けて乱高下する展開となった。

日本銀行本店

 日本銀行の利上げ方針に反対する姿勢を示していた高市経済安全保障相が第1回投票で首位になったことから、午後2時半頃、1ドル=146円台半ばまで下落した。東京株式市場では円安が好感され、日経平均株価(225種)は上げ幅を拡大。午後3時、前日比903円93銭高の3万9829円56銭で取引を終えた。

 しかし、午後3時20分過ぎ、決選投票で石破氏が新総裁に選ばれると円相場は143円台まで急騰し、一時は142円78銭をつけた。1時間半余りで4円近く円高が進んだことになる。石破氏は岸田内閣の経済政策を引き継ぐとみられており、段階的に利上げする方針を示す日銀と協調路線を取るとの見方が広がった。

 円相場は午後5時、前日(午後5時)と比べて1円83銭円高・ドル安の1ドル=143円18~21銭で大方の取引を終えた。

 大和証券の山田雪乃・投資情報部長は「市場は高市氏勝利を織り込み、円安・株高が進んだが、石破氏の選出はサプライズと受け止められた。だが、今後、1ドル=140円を超える円高になることは考えづらい。市場は石破氏の政策の発表に一時的に反応したとしても、次第に落ち着いていくだろう」との見通しを示した。

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