G7農相会合、食料安全保障の強化へ声明採択…「食料不安招いた」とロシアのウクライナ侵略を厳しく非難

 【シラクーザ(イタリア南部)=秋山洋成】イタリア南部のシラクーザで開かれた先進7か国(G7)農相会合は28日、食料安全保障の強化を目指す閣僚声明を採択して閉幕した。議長国のイタリアが重視した飢餓に苦しむアフリカの支援でも一致した。

記者会見するイタリアのロッロブリージダ農業・食料主権・森林相(左)と坂本農相(28日、イタリア・シラクーザで)=秋山洋成撮影

 出席した坂本農相は閉幕後の記者会見で、「 強靱きょうじん で持続可能な農業、食料システムの構築に向け、議論を交わすことができた」と述べた。

 声明は、「サプライチェーン(供給網)を混乱させ、世界の食料不安を招いた」として、ロシアのウクライナ侵略を厳しく非難した。食料価格は上昇し、今も高い水準にある。自国内の価格を抑えるために、農作物の輸出規制に乗り出す国もある。各国が「輸出に関する不当な制限措置をとらない」ことで合意した。

 世界各地では、豪雨を始め異常気象がみられ、農業生産に打撃を与えている。森林を減らさず、環境に配慮した持続可能な農業を目指すことも再確認した。

 アフリカを中心に飢餓人口は7億人を超え、イタリアは不法移民に悩まされている。声明には、G7がアフリカで種子の品質改善や若手就農者の技術支援に取り組むことも盛り込んだ。

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