日銀「0・25%」維持…植田総裁が午後に記者会見

 日本銀行は20日に開いた金融政策決定会合で、政策金利である短期金利の誘導目標を0・25%程度で維持することを決めた。前回7月の会合で決めた追加利上げが、経済・物価情勢、金融市場に与える影響を見極める必要があると判断した模様だ。

日銀本店

 日銀は前回の会合で、マイナス金利政策の解除などを決めた3月の会合以来となる利上げを判断した。その後、米国景気の減速懸念も広がり、市場では8月上旬、株安・円高が進んだ。市場の不安定化に対し、日銀幹部からは「金融資本市場が不安定な状況で、利上げをすることはない」(内田真一副総裁)などの発言が出ていた。

 経済・物価情勢については、植田和男総裁ら幹部がこれまで、2%の物価安定目標の実現に向けて想定通りに推移しているとの認識を示している。日銀は今後も利上げを続ける方針だ。

 ただ、物価見通しは為替動向の影響を受ける。米連邦準備制度理事会(FRB)は18日に4年半ぶりの利下げを決定し、市場では日米の金利差の縮小が意識され、円高・ドル安が進むとの見方が出ている。円高の進行は物価を押し下げる可能性がある。

 植田氏は20日午後、記者会見を開いて決定内容を説明する。今後の利上げの進め方を巡る発言にも注目が集まる。

ジャンルで探す