滑走路「誤進入」を赤い灯火でパイロットに通知…1月の事故受け、羽田空港で表示灯の設置開始

C5誘導路で始まった滑走路状態表示灯の新設工事(2日午前2時11分、羽田空港で)=須藤菜々子撮影

 東京・羽田空港で1月、日本航空と海上保安庁の航空機が衝突した事故を受け、滑走路誤進入や誤出発を防ぐ「滑走路状態表示灯(RWSL)」の新設工事が2日未明、事故現場間近の「C5誘導路」で始まった。

 RWSLは、同一の滑走路で航空機2機の離着陸や、進入が重なる恐れを検知すると、滑走路や誘導路に埋め込まれた赤い灯火が光り、パイロットに異常を知らせるシステム。新千歳、伊丹、福岡、那覇4空港の一部に設置されているが、事故対策検討委員会の議論を踏まえ、国土交通省は他の4空港を含めた主要8空港で導入・拡充を決めた。

羽田空港のC滑走路(手前)と管制塔(今年1月、読売ヘリから)

 この日の作業は、C滑走路の週2日の夜間閉鎖に合わせて午前1時前に始まった。作業員らはC5誘導路の一角を深さ30センチほど掘った上で、「基台」(直径二十数センチ)と呼ばれる灯火の土台部分を配管とともに3基設置し、午前5時半までに再び埋め戻して舗装した。

 羽田空港ではA~C滑走路・誘導路で計約1500基の設置を予定し、このうちC5誘導路などでは2028年3月までに先行して運用を始める。残る7空港でも30年度中の全面運用を目指す。

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