税理士にとってもM&Aはビジネスチャンス!「税理士サミット2024」

次世代税理士研究会主催の「税理士サミット2024」が東京で開かれた。トークイベントで M&A仲介事業者大手の日本M&Aセンターとストライクのコンサルタントが登壇し、M&Aを利用した税理士事務所の成長戦略について議論。会場に詰めかけた税理士たちが熱心に耳を傾けていた。

M&A仲介事業者の違いを解説

トークイベントではミカタ税理士法人 グループ総代表の柴田昇税理士をファシリテーターに、日本M&Aセンターからコンサルタント戦略営業部西日本コンサルタントの小阪博之氏とコンサルタント戦略営業企画部情報開発課コンサルタントの和田梨沙氏、ストライクからコンサルティング部・パートナー営業企画部長の久留孝宜氏とコンサルティング部・パートナー営業企画部ウェルスビジネス推進課長の森田千晴氏が税理士事務所とM&A仲介事業者のコラボレーションについて議論した。

柴田氏が冒頭、両社とM&A仲介で協業していることを明かし、日本M&Aセンターは着手金を取るのに対し、ストライクは基本合意後まで費用を請求しないなどの違いがあることを説明し、両社に考え方の違いを聞いた。

日本M&Aセンターの小阪氏は「経営者にとっては人生を賭けた企業なので、易々と取引はできない。買い手企業には真剣に向き合ってもらうため、有償にしている」と説明。

「経営者にとっては人生を賭けた企業なので、易々と取引はできない」と話す小阪氏(右)

「経営者にとっては人生を賭けた企業なので、易々と取引はできない」と話す小阪氏(右)

ストライクの久留氏は「M&Aの間口を広げるために、売り手・買い手ともに着手金は受け取っておらず、基本合意書の締結から有償になる。相手が見つからなかった場合は料金をいただかない」と日本M&Aセンターとの違いを解説した。

さらに日本M&Aセンターは月額3万円の会員制度も用意しており、「会員を対象にしたセミナーや書籍を配布するなど、サービスは充実している。料金を頂いている会員企業にはコンサルタントが定期的に訪問するメリットもあり、好評だ」と説明。

一方、ストライクの森田氏は「わが社は無料で(日本M&Aセンターの会員制度と)同等のサービスを提供している。『困った時のストライク』なので、気軽に利用してほしい」と呼びかけた。

税理士にとってもM&Aは「チャンス」

「M&Aに対する感度の高い会計事務所がビジネスチャンスを得ている」と話す久留氏(左)

「M&Aに対する感度の高い会計事務所がビジネスチャンスを得ている」と話す久留氏(左)

柴田氏は税理士事務所の顧客である中小企業が直面する人手不足や事業承継問題の解決策としてM&Aが有効であると強調。「M&Aの市場が拡大しており、税理士事務所にとっては大きなビジネスチャンスであり、この分野に参入する機会が増えている」と指摘した。

これを受けてストライクの久留氏は「顧客からM&Aを相談される会計事務所の特徴としては、所長や職員の(M&Aに対する)感度の高さが重要だ」と指摘。

日本M&Aセンターの和田氏は「税理士事務所側がM&Aを選択肢の一つとして提示できるかどうかがカギになる」との認識を示すなど、両社ともM&Aが会計事務所の成長戦略としても有用であると訴えている。

「税理士サミット2024」ではM&A仲介事業者も会場内に自社ブースを出し、参加者した税理士たちにM&A仲介サービスへの理解を深めてもらうと同時に、提携も呼びかけていた。

M&A仲介事業者もサミット会場でブース出展し、税理士に活動を紹介

M&A仲介事業者もサミット会場でブース出展し、税理士に活動を紹介

文・写真:糸永正行編集委員

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