「ソフトバンク」ジーニーの全保有株を売却 LINEヤフーの保有割合も引き下げ 2024年8月の大量保有報告書

M&A Onlineが大量保有データベースで2024年8月の大量保有報告書などの提出状況を調べたところ、ネット媒体への最適な広告出稿を行う広告販売代理事業を手がけるジーニーの株式について、ソフトバンクが全保有株式(保有割合31.15%)を売却(報告義務発生日は2024年8月1日)したことが分かった。

ジーニーによると、ソフトバンクから、保有するジーニーの株式の売却を検討しているとの打診があったため、ジーニーが自己株式の取得を行った。

両社は2014年から連携してきたが、資本関係がなくても業務面での良好な関係を維持できるとしており、資本提携解消後も業務提携関係は継続する予定。

ジーニーは今後、取得した自己株式について、他企業への譲渡や、株式交換制度などを活用した企業買収などを検討していくという。

ソフトバンクは、EC(電子商取引)サイトやコミュニケーションアプリなどを運営するLINEヤフー株についても、0.04%売却し保有割合を63.55%に引き下げた。

トヨタ自動車が2カ月連続でアイシン株を売却

このほか8月は、石川県に本社を置くドラッグストアのクスリのアオキホールディングスについて、7月に引き続き、同社社長の青木宏憲氏が0.85%売却し保有割合を16.09%に、同社副社長の青木孝憲氏が0.76%売却し保有割合を14.37 %に、それぞれ引き下げた。

クスリのアオキホールディングスは2024年8月29日に、合同会社青木二階堂(代表社員:青木宏憲氏)や合同会社 HONJIN(代表社員:青木孝憲氏)など合同会社5社(いずれも青木宏憲氏と青木孝憲氏が代表社員)が、青木宏憲氏と青木孝憲氏がそれぞれ保有するクスリのアオキホールディングスの全株式を取得したと発表した。

5社はいずれも青木宏憲氏、青木孝憲氏の資産管理会社であり「株式の異動に伴う経営や業績に与える影響はない」としている。

また、トヨタ自動車がトヨタ系の自動車部品メーカーであるアイシンの株式を1.69%売却し保有割合を18.31%に引き下げた。アイシン株の売却は7月に続き2カ月連続で、保有割合は合計で4.36%下がった。

中古ブランド品買い取り事業を手がける大黒屋ホールディングスの株式についても、同社社長の小川浩平氏が6度売却(7.5%)し、保有割合を24.34%に引き下げた。小川氏による大黒屋ホールディングスの株式売却は2024年5月から4カ月連続となる。

南青山不動産は三井住友建設株とヨロズ株を買い増し

旧村上ファンド系の南青山不動産は三井住友建設株を1.26%買い増し、保有割合を13.8%に高めたほか、自動車部品メーカーのヨロズの株式についても1.06%買い増し、保有割合を11.67%に高めた。

2024年8月の大量保有報告などの提出件数は1008件で、このうち保有割合を増やしたのは352件、新規保有は146件、保有割合を減らしたのは438件、契約の変更などは72件だった。

文:M&A Online記者 松本亮一

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