参加募集相次ぐ「スタートアップ支援プログラム」スタンフォード大学も協力

今夏から秋にかけて実施されるスタートアップ支援プログラムへの参加募集が相次いでいる。

海外展開を目指すスタートアップを後押しするプログラムや、フィンテック(金融と技術を組み合わせたサービス)分野のスタートアップを対象に海外展示会への出展を支援するプログラム、さらにはシニア向けの起業を応援する講座などもある。

スタートアップには、次世代の日本経済をけん引することや、大企業の成長を促進することなどへの期待が高まっており、国や自治体がスタートアップの創出や育成に力を入れている。

どのような支援プログラムがあるのか。

世界トップクラスのアクセラレーターが参画

日本貿易振興機構(JETRO)は、海外展開を目指すスタートアップを後押しする「グローバル・スタートアップ・アクセラレーションプログラム」への参加者の募集を始めた。

世界トップクラスのアクセラレーター(スタートアップなどの事業を成長させるための支援組織)による講義や、投資家に向けたプレゼンテーション、大企業とのマッチングなどを行うもので、今回が5回目の開催となる。

今年は、初めて米スタンフォード大学発のアクセラレーター「StartX」が、AI(人工知能)やサステナビリティ(持続可能性)に関する講義を行うほか、バイオやヘルスケア、米国市場への参入などをテーマにした6コースがある。

海外展示会への出展費用を補助

東京都は海外展開を計画しているフィンテック分野のスタートアップが、海外の展示会に出展する際の費用を補助するとともに、現地の企業などとの面談機会を提供する。

対象となる展示会はFintech Surge 2024(アラブ首長国連邦)、Fintech Taipei 2024(台湾)、Singapore FinTech Festival 2024(シンガポール)の三つで、東京都では合わせて海外展開の可能性を検討するための調査費用についても補助する。

東京都は「アジアのイノベーション・金融ハブ」を目指しており、この実現のために世界中で金融サービスが展開できるフィンテック企業を育成する必要があると判断した。

ビジネスアイデアの創出手法を習得

東京都立産業技術大学院大学は、2024年10月に開講するシニア向けの起業応援講座「東京テックイノベーションプログラム」の受講者の募集を始めた。

起業に挑戦するシニア層(おおむね40歳以上)や中小企業の後継者らが対象で、新しいビジネスアイデアを生み出すための具体的な手法を短期間で修得してもらうことを狙いに、講義形式の座学に加え、モノづくり企業やスタートアップなどの視察を行う。

こうしたスタートアップの創出や育成の取り組みは全国に広がっており、直近では茨城県が県内のスタートアップ企業や県内でスタートアップの創業を目指す人を対象に、「栃木県スタートアップ企業支援事業」の参加者の募集を始めた。

各市区郡でのスタートアップ企業の出現率をまとめている帝国データバンクでは、各地の独自の取り組みや、大規模な支援策が相次いで発表されていることから「地域の特色を活かした取り組みが今後も盛り上がりを見せるだろう」としている。

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文:松本亮一記者

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