ゴツい見た目に圧倒! スポーツバイク顔負けの高性能でどこへでもラクに行ける 大型「大パワーアドベンチャー」3選

 アドベンチャー・クロスオーバーバイク(ADV)の特徴といえば、軍用車のようなゴツい見た目があげられるでしょう。そんな巨躯でありながら、並のスポーツバイクを置いてけぼりにできる性能を持つADVを3台紹介します。

ADVのキング・オブ・キングはBMWの「R1300GS アドベンチャー」

 今やラインナップしていないメーカーはないと言えるのが、アドベンチャー・クロスオーバー(ADV)スタイルのバイクです。

 クルマのSUVのようなものと捉えてよく、楽な姿勢を保て長旅を快適にこなせることから、新世代のスポーツバイクのようにも捉えられています。

 現在に続くADVブームの礎となったのは、BMWモトラッド「R1200GS」です。

2012年に登場したBMWモトラッド「R1200GS」が現在のADVブームの先駆けとなった

2012年に登場したBMWモトラッド「R1200GS」が現在のADVブームの先駆けとなった

 水冷エンジンを新採用し2012年に登場すると、その速さに世界が驚いたどころか大ヒットモデルとなり、他社も追従し現在に至ります。

 ADVは、小型から大型まで様々な排気量のモデルが揃っていますが、花形なのはやはり巨躯を持った大排気量ADVでしょう。

 ADVのキングといえばBMWのGSで、2023年11月に「R1300GS」として生まれ変わりました。

 さらにGSには、最強版の「アドベンチャー」が存在します。

 最新型の「R1300GS アドベンチャー」が2024年7月5日にドイツ本国で発売され、9月7日に日本で発表するとともに受注を開始しました。

2024年9月に日本でも発表されたBMWモトラッド「R1300GS アドベンチャー」

2024年9月に日本でも発表されたBMWモトラッド「R1300GS アドベンチャー」

 R1300GSの燃料タンクは19Lですが、アドベンチャーは30Lものタンクを備えています。

 そのため、基準車のGSよりも大柄に感じます。またエンジンガードやスポークホイール、ブロックタイヤ、大型スクリーンといった装備が、外観的にも機能的にもタフネス性を高めています。

 アドベンチャーには電子制御技術がふんだんに盛り込まれています。

 サスペンションはスプリングレートと減衰力が自動調整されるほか、停車時などには車高が自動で下がります。

 クルーズコントロールは前走車追従式のアダプティブクルーズコントロールを搭載。オプションでさらに、クラッチ操作と変速操作を完全自動化できる「オートメイテッド・シフト・アシスト(ASA)」を装着可能です。

 ちなみに車両のスペックは、全長2280×全幅1012mmで車重は269kg。

 エンジンは1300ccの水冷水平対応2気筒DHOCで、最高出力107kW(146PS)/7750rpm・最大トルク149Nm(15.2kgm)/6500を発生します。

 キングがキングたる性能・装備を持っていると言えるパッケージです。

あのメーカーさえどデカく速いADVを新開発

  “巨躯なバイク”としてR1300GSアドベンチャーに引けを取らないのがKTM「1290スーパーアドベンチャーS」です。

KTM「1290スーパーアドベンチャーS」

KTM「1290スーパーアドベンチャーS」

 KTMはもともとオフロードモデルを得意としていたメーカーですが、現在は“Ready to Race”の理念を掲げてスポーツ指向を高めています。MotoGPへのワークス参戦は、その体現と言えるでしょう。

 ただ、もともとオフローダーを得意としていただけに、どのモデルにもその雰囲気と迫力を感じることができます。

 特にADVは最たるもので、最上級の1290スーパーアドベンチャーSは、大迫力の巨体となっています。

 しかし、この見た目の割には軽量に作られているのがポイントで、トレリス構造のフレームを中心とした車体は227kgとなっています。

 そして車体同様エンジンも迫力があります。1301ccの水冷V型2気筒DOHCで最高出力118kW(160PS)・最大トルク118Nm(14.1kgm)を発揮します。

 電子制御も現代のツアラーらしく、サスペンションのほかアダプティブクルーズコントロールも装備しています。

 どちらかといえばオンロード指向が強いADVですが、その性能をフルに高めた迫力が勝負の一台です。

 そしてこちらは巨躯とともに誰もが“嘘だろ⁉︎”と感じたのではないでしょうか。

 ハーレーダビッドソン「パンアメリカ」は、“あのハーレー”が作ったADVです。

ハーレーダビッドソン「パンアメリカ」

ハーレーダビッドソン「パンアメリカ」

 パンアメリカは、シャシ、エンジンとすべてが新開発のADVです。ADVとしては再後発となりましたが、それだけにハーレーが精魂込めて制作したことがわかります。

 車体は大きく、全長2270でホイールベースは1585mm。オフロード走行を想定した設計のため、最低地上高は875mmと高めに設定されています。

 ちなみにサスペンションは電子制御機構を備え、停車時には車高が自動で下がります。

 ハーレーといえば空冷のVツインOHVという“様式”が存在しますが、パンアメリカのものは1252ccの水冷V型2気筒DOHCで、最高出力112kW(152PS)/8750rpm・最大トルク128Nm(13.1kgm)/6750rpmを発揮します。

 ハーレーとしては珍しく馬力を公開しており、しかも全てのモデルと比べても最高のエンジンスペックを持っています。

 ハーレーのADVというだけでも驚きですが、そのスペックも驚くべきもので、ハーレーの自信作と言える一台でしょう。

※ ※ ※

 軍用車のような見た目を持ち、人間が操れるか疑問に思える巨躯を自在に操る姿には、多くのライダーが憧れるでしょう。

 今回の3台は、性能・車体・存在感のどれをとっても一級の大型ADVです。

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