業界を変えるほど大人気! “ネオクラ”ブーム再燃の注目株 ホンダ「GB350C」とロイヤルエンフィールド「ブリット350」を比べてみた【ライバルをスペック比較】

350ccのエンジンを搭載したホンダ「GB350」が大ヒットを記録したことで、このクラスに注目が集まっています。しかし、350ccクラスにはかれこれ90年も形を守っているロイヤルエンフィールド「ブリット350」が存在しています。オリジナルとそのフォロワーをスペック面で比較してみましょう。

ハーレーも作り始める一大市場になった350ccクラス

 バイクにネオクラシックブームが起きて久しい2024年。今後もさまざまな「ネオクラ」モデルが登場することが予想されますが、このネオクラに一石を投じたモデルがホンダ「GB350」でしょう。

ネオクラシックバイクのブームを牽引するホンダ「GB350」とロイヤルエンフィールド「ブリット350」

ネオクラシックバイクのブームを牽引するホンダ「GB350」とロイヤルエンフィールド「ブリット350」

 350ccという排気量で登場したにもかかわらず、納期が長期化するほどの人気モデルとなりました。

 そのヒットが影響したのか、400cc以下の普通二輪にも注目が集まりました。

 現在は世界各国のメーカー、それこそハーレー・ダビッドソンまでもが、普通二輪の「X350」を登場させました。

 しかも排気量は353ccと、GB350と同等です。GB350がヒットしなければ、この新たなクラスは盛り上がらなかったでしょう。

 しかし、このクラスの“オリジナル”は、じつはGB350ではありません。

 ネオクラシックがブームになる以前から、英国にルーツを持つロイヤル・エンフィールドが350ccクラスのモデル「ブリット」を流行に左右されず生産し続けていました。

 このブリットがなければGB350の登場もなかったといって過言ではありません。ブリットは現在も生産が続けられており、このネオクラブームのおかげで、ロイヤル・エンフィールドへの注目度も高まっています。

 2024年9月12日、ホンダはGB350に新たなバリエーション「GB350C」を追加しました。

2024年9月に登場したクラシカルスタイルのロードスポーツ、ホンダ「GB350C」

2024年9月に登場したクラシカルスタイルのロードスポーツ、ホンダ「GB350C」

 よりクラシカルなスタイルを採用し魅力を高めています。それではこのクラスのオリジナルといえるブリットとはどのような違いがあるのでしょうか。スペック面から比較してみましょう。

 GBの方が、ブリットよりも平面上は若干大きくなっています。

 下に紹介する値から注目したいのがハンドリング性能です。

 GBのほうが、全幅、すなわちハンドルが広く、車体重量が軽くなっています。

 このことから、コーナリングの軽快さにおいては、GBが優っていると推測されます。

 エンジンパワーも同等なことから、約10kgの差はコーナリングと加速性能に少なからず影響があるのではないでしょうか。

 ではブリットが劣っているかといえばそうではありません。

 90年もの間作り続けられているリアルクラシックの雰囲気は、このクラスの“オリジナル”といえるものです。

HONDA GB350C
車体サイズ:全長2205×全幅790×全高1105mm
ホイールベース:1440mm
シート高:800mm
車両重量:186kg

ROYAL ENFIELD BULLET 350
車体サイズ:全長2145×全幅785×全高1125mm
ホイールベース:-mm
シート高:805mm
車両重量:195kg

ブリットがなければGBもその市場もできなかった

 両車のエンジンは、トランスミッションも含めて驚くほど性能が酷似しています。

 このことから、GBはかなりブリットを意識して設計されていることが読み取れます。

ロイヤルエンフィールド「ブリット350」

ロイヤルエンフィールド「ブリット350」

 ブリットを生産するロイヤルエンフィールドは、ホンダに比べれば規模が小さい企業と言えます。

 そのホンダを意識させるほどブリットは大きな存在なのです。

 また、エンジンパワーが酷似しているということは、その性能も秀逸だといえます。

 スポーツ性能という考えから離れて、エンジンを低速でリズミカルに回しているのに快感を得られるパワーということでしょう。

 しかし両車ともに、エンジンの造形美が光っているのも特徴です。

 エンジン上部のシリンダーブロックからクランクケースに至るまで、無駄のない機能美が表現されています。

HONDA GB350C
エンジン形式:空冷単気筒SOHC
排気量:348cc
最高出力:15kW(20PS)/5500rpm
最大トルク:29Nm(3.0kgm)/3000rpm
トランスミッション:5速MT

ROYAL ENFIELD BULLET 350
エンジン形式:空冷単気筒SOHC
排気量:349cc
最高出力:14.9kW(20.2PS)/6100rpm
最大トルク:27Nm(2.8kgm)/4000rpm
トランスミッション:5速MT

※ ※ ※

 ブリットを基準に考えると、ホンダは勝負価格を打ち出していることが見て取れます。

 ホンダの現ラインナップの中で、400ccクラスは税込80万円を超える値付けがなされています。

 その中で60万円台で購入できるのはまさにバリュープライスといえます。ベーシックモデルの「GB350」は、なんと税込56万1000円なのです。

 ホンダは日本全国に販売網を構築しています。手軽にどこでも買えて車体自体もスタイリッシュとなれば、ヒットしない理由はありません。新型のGB350Cはどこまで販売台数を伸ばせるか注目です。

 そして、ロイヤルエンフィールドは、現在日本での市場構築に力を入れています。日本でどこまで市場を伸ばせるかも気になるところです。

 
HONDA GB350C
車両本体価格:税込66万8800円

ROYAL ENFIELD BULLET 350
車両本体価格:税込69万4100円〜70万1800円(車体色により変動)

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