やっぱり庶民には高嶺の花!? 世界を代表する超高級セダン メルセデス・ベンツ「Sクラス」を個人で持つには年収はどれくらい必要?

 圧倒的な存在感で高級セダンの名をほしいままにするメルセデス・ベンツ「Sクラス」ですが、車両価格も非常に高額です。では、そんなSクラスのオーナーになるとしたら、どれくらいの年収が必要なのでしょうか。

ベースグレードでも1500万円超え。買える年収はいくら?

 メルセデス・ベンツ「Sクラス」といえば、同社のフラッグシップモデルであり、超高級車の代名詞といえるラグジュアリーセダンです。

高級セダンの代名詞、メルセデス・ベンツ「Sクラス」。ベースグレードの「450d 4MATIC」も車両価格が1556万円となる

高級セダンの代名詞、メルセデス・ベンツ「Sクラス」。ベースグレードの「450d 4MATIC」も車両価格が1556万円となる

 1972年のデビュー時から一貫して上質感や、快適性、安全性を追求しており、その圧倒的なパフォーマンスが世界の富裕層を魅了してきました。

 2013年に登場した先代Sクラスは、販売台数が累計で50万台を超えたといいます。

 現行モデルは、2021年に登場した7代目です。

 官能的でなめらかなルックスや、メルセデス・ベンツ初採用となるリアエアバッグの採用、音声認識など最新技術が詰め込まれているのが特徴です。また、全グレード4輪駆動で標準ボディとロングボディを用意しており、坂道でも安定した走りが体感できるといいます。

 最高位ランクのセダンにふさわしい存在感や高級感を、「もっともカッコいい」とする人も多いようです。

 しかし、やはり価格は非常に高額。

 全部で6グレードが展開されていますが、最上位である「メルセデスAMG S63 Eパフォーマンス」の本体価格は3687万円(消費税込)です。ベースグレードの「450d 4MATIC」でさえ1556万円もします。

 では、もしも、そんなSクラスのオーナーになるとしたら、いったいどれくらいの収入が必要なのでしょうか。

 ここで、一般的な年収をみてみましょう。

 国税庁の調査によると、2022年の平均年収は457万6000円です。男性別では、男性が563万3000円、女性は313万7000円です。

 こうしてみると、ベースグレード車の価格にも及ばないことがわかります。仮に、共働きの世帯で買うとして、男女の平均年収を足してみても877万円にしかなりません。

 一方で、無理なく買える新車の購入費用は、年収の半分程度といわれています。

 これに従うと、ベースグレード車を買うにも、車両本体価格1556万円の2倍である3112万円の年収が必要です。実際にはオプションなど諸費用がかかるため、さらにその額は増えてしまいます。

 やはり、Sクラスは限られた人だけのものなのでしょうか。

ローンやリースで新車に乗るにはいくらかかる?

 では、実際に購入するとして、ローンを組むことを考えてみましょう。

2023年9月に日本上陸したSクラスのトップパフォーマンスモデル、新型「メルセデスAMG S63 E PERFORMANCE」。こちらは3576万円

2023年9月に日本上陸したSクラスのトップパフォーマンスモデル、新型「メルセデスAMG S63 E PERFORMANCE」。こちらは3576万円

 分割で支払う場合、毎月の返済額を手取り月収の20%以下に抑えると無理がないといわれます。

 さきほどの共働きの世帯年収877万円で考えてみると、月収は約73万円です。ここから、社会保険料や所得税などが25%源泉徴収されるとすると、手取り月収は55万円ほど。

 この20%ですから、毎月11万円までは返済にまわせるということになります。

 ベースグレード車450d 4MATICをローンで購入するとして、ベンツの公式サイトで試算してみましょう。

 車両本体価格1556万円に諸経費38万5500円を加え、ローン利用の合計額は1594万5500円です。

 5年60回払いで金利4.29%、頭金なし、ボーナス払いなしとすると、月々の返済額は29万5700円にもなります。最長の7年84回ローンを組んだとしても、毎月22万円です。
 
 また、ベンツでは残価設定ローンも利用できます。

 残価設定ローンは、将来の下取り価格(残価)をあらかじめ差し引き、残りを分割で支払うため、月々の返済額を軽減することが可能です。

 同様の5年60回払いで金利は3.99%、頭金なし、ボーナス払いなしとします。最大の707万円分の残価を差し引くとするとどうでしょうか。

 しかし、それでも毎月18万7300円を返済することになります。450d 4MATICが一般の人には負担の大きい買い物であるのは、変わらないようです。

 あるいは、自分で所有せずに、リースでSクラスに乗るという選択肢もあります。

 リースを利用する場合は、契約時に走行距離の制限とリース期間を選択し、期間中は毎月一定の利用料を支払います。なお、料金には保険や税金、サービスプログラム料が含まれています。

 3年契約で年間走行距離は1万キロまで、頭金、ボーナス払いなしとすると、毎月の料金は29万4690円です。そして、最長の5年契約の場合は22万880円となります。 

※ ※ ※

 現行ベンツSクラスの新車は、ローンやリースを利用したとしても、多くの人にとって手が届きにくい存在のようです。

 ただ、歴史あるSクラスなので、中古車の中には手頃な価格のものも存在するようです。「成功者のシンボルを手に入れたい」という人は、検討してみるのもよいでしょう。

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