「早くステアリングを握ってみたい」 新型「M5」上陸にBMWジャパン社長も興奮! 「700馬力超のハイパーセダン」へ進化した7世代目の実力とは

BMWの日本法人であるビー・エム・ダブリューは、新しい「M5」を日本初公開しました。歴代モデル初のPHEV機構を採用し、システム最高出力が700馬力を超えるミッドサイズのハイパフォーマンスセダン。先代モデルのオーナーをもワクワクさせる最新モデルの魅力とは?

先代「M5」オーナーもワクワクさせる新型「M5」の魅力とは

 BMWの日本法人であるビー・エム・ダブリューは、2024年10月2日、セダンのラインナップの中で最もストイックなモデルである新型「M5」を日本初公開しました。

BMW新型「M5」

BMW新型「M5」

 発表に際して、ビー・エム・ダブリューの代表取締役社長である長谷川正敏氏は、「私自身、普段、先代モデルを愛用していることもあり、『M5』は非常に思い入れの強いモデルです。歴代モデルで初めて電動化を採り入れた新型は、市販車では貴重な700馬力超えのハイパワーモデルへ仲間入りを果たしました。私も早くステアリングを握ってみたい1台です!」と、興奮気味に新型の魅力を語りました。

 BMWの「M5」は、ミッドサイズセダンの「5シリーズ」をベースに、BMWのモータースポーツ部門であるBMW Mの技術と知見を惜しみなく注ぎ込み、全方位的に徹底的に磨き上げられた高性能セダンです。

 初代モデルは1980年代に活躍した2代目「5シリーズ」に設定。そのファーストモデルから日本市場にも正規導入されており、最新型は7世代目に当たります。

 新型「M5」は、2023年に発売された8世代目「5シリーズ」のセダンをベースに開発。ボディサイズは全長5096mm、全幅1970mm、全高1510mmで、ホイールベースは3006mm(いずれも欧州仕様の数値)とアナウンスされています。

 長谷川氏のコメントにもあるように、最大の特徴は「M5」史上初の電動車となったことです。

 BMWは、走りのいい独自の電動車づくりにも情熱を注いでおり、現行「5シリーズ」では、公道でのスポーツ性と快適性を両立した“Mパフォーマンスモデル”のBEV(電気自動車)「i5 M60 xDrive」をラインナップしています。

 その上で、サーキット走行を前提するロードカーの“Mハイパフォーマンスモデル”である新型「M5」では、エンジンと電気モーターの融合による新たな魅力が追求されました。

 搭載されるパワーユニットは、BMW「Mシリーズ」初の高性能PHEV(プラグインハイブリッドカー)であるフラッグシップSUV「XM」ゆずりの電動化システムを搭載。システムの核となる4.4リッターV8ツインターボエンジンの単体性能は、最高出力585ps/5600~6500rpm、最大トルク750Nm/1800~5400rpmを発生します。

 組み合わされるM専用プラグインハイブリッドシステムは、フロア下に重量バランスとスペース効率を追求して配置された22.1kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーと、8速の“Mステップトロニックトランスミッション”と一体化した電気モーターで構成。

 ATのハウジング内部に収まるコンパクトさでありながら、モーター単体でも最高出力197ps、最大トルク450Nmとミッドサイズセダンを走らせるのに十分な性能を備えています。

 特筆すべきは、その最大トルクが3リッター直6ターボエンジンを搭載する先代「540i」と同等、ということでしょう。これらふたつのパワーソースを融合させたシステム性能は、最高出力727ps、最大トルク1000Nmにも及びます。

 その実力は、0-100km/h加速3.5秒、80-120km/h加速2.2秒というスペックが物語ります。もちろん、モーターのみでの走行も可能。航続距離は約70kmを誇ります。

 現行「5シリーズ」全体で取り組んだ電動化は、シャシー性能の強化にもつながっています。

 新型「M5」には“アダクティブMサスペンション”、“アダクティブMディファレンシャル”、「M5」初となる後輪操舵機能“インテグレーテッドアクティブステアリング”を搭載。これらを統合制御することで、格上のパフォーマンスを実現しています。

 その結果、2510kgというヘビー級のモデルながら、公道からサーキットまで状況に合わせた最適なドライビングパフォーマンスを提供。まさに新時代の「駆け抜ける歓び」が表現されたとしています。

 新型「M5」で目を惹くパワフルなスタイリングも、決してビジュアル重視のものではありません。

 迫力に満ちたデザインの引き立て役でもあるワイドフェンダーは、ベースモデルに対してフロントが75mm、リアは48mmも拡大。もちろん、その目的は、よりワイドで高性能なタイヤと強力なブレーキシステムを搭載することにあります。

 フロントマスクは、M専用のデザイン。エアロバンパーやブラックキドニーグリルを装備し、より精悍な顔つきになっています。

 対するリアスタイルは、控えめながら重要な役目を果たす“Mカーボンリアスポイラー”を始め、専用エキゾーストシステムと空力性能の向上を図ったディフューザーつき“Mリアバンパー”が与えられています。

 日本仕様に標準装備となる“Mカーボンエクステリアパッケージ”は軽量化に貢献。装着されるカーボンルーフは標準ルーフに対して30kgも軽く、低重心化にも寄与します。

 さらにサーキット指向のユーザーのために、走りを強化するパッケージである“レーストラックパック”も用意。足元には専用のブラックアロイホイールと“Mカーボンセラミックブレーキシステム”も採用され、さらに最高速度も305km/hまで引き上げられます。

●サーキットからクルージングまでこなす高性能なオールラウンダー

 新型「M5」のインテリアは「5シリーズ」のそれをベースとしているものの、メーターパネルの表示デザインがM仕様となるなど、各部がカスタマイズされています。

 ダイレクトな操作フィールを味わえる“マルチファンクションMスポーツレザーステアリングホイール”を始め、ホールド性と快適性を高次元で両立した“Mマルチファンクションシート”、視認性に優れるM用操作スイッチなどが、ドライバーの心を高揚させます。

 また、リアシートもスポーティなデザインとなりますが、「5シリーズ」らしい心地よい座り心地は健在。466リットルの荷室容量もあって、まさに新型「M5」はオールラウンダーなハイパフォーマンスセダンといえるでしょう。

 ちなみに、安全運転支援機能などは最新世代のものが標準搭載されているのはいうまでもありません。

 そんな新型「M5」の価格(消費税込)は1998万円と高価ですが、最新世代のスポーツPHEVシステムを備えながら、先代の「M5コンペティション」と同等の価格帯をキープ。その戦略的な価格設定の背景には、「多くのファンにBMWが目指す刺激的かつ楽しいスポーツ電動車の世界を味わって欲しい」との思いが込められているそうです。

 日本における「M5」は、サーキットユースは限定的であり、最強のビジネスサルーンとして愛用するオーナーが多いとのこと。本国にはステーションワゴンである「M5ツーリング」も設定されていますから、そちらの上陸にも期待が高まります。

ジャンルで探す