高速料金が最大半額戻ってくる!? 約95%の人が使っているETC 高速道路を走る前に必ず登録しておくべき“無料”のサービスとは

高速道路を利用するドライバーの約95%が利用している自動料金収受サービスがETCです。多くの人が使っているETCですが、よりメリットを受けるためには「ETCマイレージサービス」への登録が必要になります。どんなサービスなのでしょうか。

ETCを使った分だけポイントが貯まり還元されるサービス

 高速道路や有料道路(以下、高速道路等)の料金所をノンストップで通れる「ETC」の利用率(国土交通省調べ)は、2024年5月時点で94.9%と、95%がもう目の前に来ています。

ETC利用率は2024年5月現在で94.9%。つまり高速道路を走行する人のほとんどがETCを使っている。ETCマイレージサービスに登録していないと損!?

ETC利用率は2024年5月現在で94.9%。つまり高速道路を走行する人のほとんどがETCを使っている。ETCマイレージサービスに登録していないと損!?

 ETC利用率が90%に達したのは2016年で、以降、小刻みな上昇を続けています。

 ただ94%超えとなった2022年6月からは、その上昇率が鈍化していることから、利用率はこのあたりでほぼ頭打ちになったとみていいでしょう。

 このETCの利用率向上には、料金所のノンストップ通行のほか、ETC専用の出入口「スマートIC」の利用が可能になる、ETC限定の割引「深夜割引」「休日割引」により通行料金がオトクになるといったメリットが、大きく関係していると言っていいでしょう。

 これらのメリットは、ETC車載器をクルマに装着してセットアップし、ETCカードを挿入して高速道路等を通行するだけで、誰でも適用を受けることが可能です。

 しかしその一方で、ETCには「申し込まなければ受けられないメリット」も存在することをご存じでしょうか。

 それは、高速道路等をETC通行すると、一定額が実質無料となる「ETCマイレージサービス」です。

 ETCマイレージサービスでは、高速道路等をETC通行すると、支払った通行料金に応じてポイントが貯まります。

 そしてそのポイントが一定額に達すると「還元額」への交換が可能となり、その還元額の範囲で高速道路等を無料で通行できるという仕組みになっています。

 ポイントはNEXCO東日本/中日本/西日本および宮城県道路公社(以下、NEXCO等)、本四連絡高速、愛知道路コンセッション、神戸市道路公社、広島高速道路公社、福岡北九州高速道路公社という道路事業者ごとに貯まり、合算はできません。

 支払い額に対してのポイント加算は、NEXCO等、本州四国連絡高速道路が「10円につき1ポイント」、愛知道路コンセッション、広島高速道路公社、福岡北九州高速道路公社が「100円につき1ポイント」、神戸市道路公社が「50円につき3ポイント」です。

 また愛知道路コンセッション、神戸市道路公社、広島高速道路公社、福岡北九州高速道路公社は、月間利用額に応じ「加算ポイント」が付くことになっています。

 還元額は、NEXCO等および本州四国連絡高速道路が「1000ポイント→500円分、3000ポイント→2500円分、5000ポイント→5000円分」で、愛知道路コンセッション、広島高速道路公社、福岡北九州高速道路公社が「100ポイント→100円分」、神戸市道路公社が「200ポイント→100円分」となっています。

 なお、ポイントは加算された年度の翌年度末までに還元額に交換されない場合、失効となります。

最大50%相当が戻ってくる「ETC平日朝夕割引」はETCマイレージサービス登録が必須

 貯まったポイントの還元額への交換には、「インターネットのマイページを利用」「自動音声ダイヤル」などの方法がありますが、もっとも便利なのが、インターネットのマイページで設定する「ポイント自動還元サービス」の利用です。

ETCマイレージサービスのWEBサイト。ETCマイレージサービスの新規登録はここから申し込む

ETCマイレージサービスのWEBサイト。ETCマイレージサービスの新規登録はここから申し込む

 このサービスを利用すると、NEXCO等、本州四国連絡高速道路は、5000ポイントに達した段階で、愛知道路コンセッション、神戸市道路公社、広島高速道路公社、福岡北九州高速道路公社は1000ポイントに達した段階で、還元額に交換されます。

 利用者は面倒な手続きから解放され、また“交換忘れ”による失効も防ぐことができるのです。

 なおETCマイレージサービスに登録すると、もうひとつ、大きなメリットがあります。それは「ETC平日朝夕割引」の適用です。

 ETC平日朝夕割引は、平日6〜9時、17〜20時の間に地方部の高速道路を利用すると、朝夕のそれぞれ最初の1回に限り、最大100km走行分まで、実質的な割引が受けられるという制度です。

 割引はETCマイレージサービスの還元額として加算され、月内の走行5〜9回が通行料金の30%相当額、10回以上が50%相当額となっています。

 高速道路を使いクルマ通勤している人のほか、この時間帯に地方部の高速道路を利用する機会の多い人にとって、ETCマイレージサービスへの登録は必須と言えるでしょう。

※ ※ ※

 なお、ETCマイレージサービスの利用にあたっては、注意点もあります。

 まず、複数のETCカードで貯まったポイントを合算することはできません。

 そのため、家に複数のクルマがあり、かつ同時には使わない場合は、1枚のETCカードを“使い回す”ほうが、効率的にポイントを貯めることができます。

 つぎに、クルマを持っていない人は、ETCマイレージサービスの利用が事実上不可能だということです。

 ETCマイレージサービスへの登録にはETC車載器の管理番号が必要となるため、マイカーを持っていない人がETCカードをETCマイレージサービスに登録し、レンタカーなどでポイント加算することはできません。

 最後に、ポイントの期限切れです。

 ポイント自動還元サービスを使えば手間なくポイントを還元額に交換できますが、ポイントの有効期限までに交換単位に達しない場合、ポイントは期限切れで失効してしまいます。

 ふだんあまり高速道路を使わない人は、年明けの1〜2月に年度末に期限切れするポイントがないか、忘れずに確認し、必要に応じて手動で還元額に交換しましょう。

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