メルセデス・ベンツのコンパクトミニバン「Tクラス」ってどんなクルマ? 日本上陸の可能性はある!?

 欧州で展開されているメルセデス・ベンツのコンパクトミニバンである「Tクラス」。通常モデルの他にロングホイールベースも用意しています。日本国内では耳慣れないTクラスですが、いったいどのようなモデルなのでしょうか?

メルセデスの新型コンパクトミニバン、日本導入の可能性は?

 独メルセデス・ベンツが欧州市場で販売しているコンパクトミニバンが「Tクラス」です。

 全長4.5mの通常サイズのほか、全長4.9mのロングホイールベース版も用意するモデルですが、どのようなクルマなのでしょうか。また日本に導入される予定はあるのでしょうか。

メルセデス・ベンツブランドとして最小のミニバンが「Tクラス」だ。2022年に欧州で登場したが、日本では未発売

メルセデス・ベンツブランドとして最小のミニバンが「Tクラス」だ。2022年に欧州で登場したが、日本では未発売

 欧州ではすでに一定の評価を得ているTクラスですが、国内未導入であることから、日本のユーザーにはあまり馴染みのあるクルマとは言えません。ただ、その特徴を見る限り、日本でも一定の人気を得ることは間違いなさそうです。

 2022年に世界初公開されたTクラスは、全長4498mm×全幅1811mm×全高1859mmのボディを持つコンパクトなMPV(ミニバン)です。

 メルセデス・ベンツの商用車部門から販売されている「シタン」や「シタンツアラー」、そしてルノー「カングー」や日産「タウンスター」といった商用バンとも兄弟車という関係にあるモデルです。

 そういった意味では「メルセデス・ベンツ版カングー」とも言えるTクラスですが、内外装のデザインや快適装備はメルセデス・ベンツのほかのモデルと同等レベルにまで引き上げられています。

 たとえば、7インチのタッチスクリーンを備えた「MBUX」と呼ばれるインフォテイメントシステムや合成皮革や光沢のあるブラックで仕上げられた内装は、商用車がベースとは思えないほどの仕上がりです。

 組み合わされるパワートレインは、1.3リットル直列4気筒ターボエンジンもしくは1.6リットルのディーゼルエンジンで、トランスミッションは6速のMTもしくは7速のDCTから選択することが可能です。

2023年12月に欧州市場で追加されたロングホイールベース版、メルセデス・ベンツ「Tクラス・ロング」

2023年12月に欧州市場で追加されたロングホイールベース版、メルセデス・ベンツ「Tクラス・ロング」

 さらに、2023年末に追加されたロングホイールベースバージョンでは、ベースモデルに対して全長とホイールベースが大きく延長されており、それにともない、7人乗り仕様も設定されています。

 ロングホイールベース版のボディサイズは、全長4922mm✕全幅1817mm✕全高1859mmと、トヨタ「ノア/ヴォクシー」、日産「セレナ」、ホンダ「ステップワゴン」といった国産ミドルクラスミニバンよりひとまわり大きく、トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」よりはひとまわり小さい印象です。

 欧州プレミアムブランドのミニバンという視点で見ると、メルセデス・ベンツ「Vクラス」をのぞいて現状ではほとんどラインナップされていません。

 メルセデス・ベンツらしいプレミアム感あふれる内外装を持ち、なおかつVクラスよりも取り回しがしやすいサイズ感というTクラスは、日本市場でも一定の評価を受けることが予想されます。

日本導入はある? メルセデス・ベンツ日本の担当者に聞いてみた

 ただ、メルセデス・ベンツ日本の広報担当者によれば、残念ながら現時点ではTクラスの日本国内導入は未定となっているようです。

メルセデス・ベンツ「Tクラス」のインテリア

メルセデス・ベンツ「Tクラス」のインテリア

 実際のところ、Tクラスの導入についてはいくつかのハードルが考えられます。

 たとえば、「ミニバン大国」である日本では、ユーザーがミニバンに求める快適性や機能性のレベルが非常に高く、その激戦区に割って入るのは決して簡単なことではありません。

 また、Tクラスが日本に導入された場合、アルファード/ヴェルファイアなどの国産高級ミニバンと競合する価格になると思われますが、このカテゴリーで他の追随を許さないほどの人気を誇るアルファード/ヴェルファイアに立ち向かうのは少々分が悪いかもしれません。

 このように考えると、Tクラスが日本に導入される可能性はそれほど高くないように思われます。

※ ※ ※

 それでも、新たな選択肢が加わることはユーザーにとっては大きなメリットであるのも事実です。

 また、「マルコ・ポーロ」と呼ばれるキャンピングカー仕様はメルセデス・ベンツの大きな強みであるため、そうした特定のユーザーに向けての限定的な導入の可能性はあるかもしれません。

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