高速道路を乗り降り自由!? 料金も半額以下に!? ETC周遊割「ドラ割」「速旅」「みち旅」って何? 使い方と注意点とは

事前に申し込みをすると高速料金が大幅に割引されるETC周遊割引が、NEXCO各社から販売されています。これからのドライブで活躍しそうなETC周遊割「ドラ割」「速旅」「みち旅」とは何なのでしょうか。知っていればおトクなドライブができるETC周遊割の使い方を説明します。

知っておいてソンはない 便利でおトクなETC周遊割

 クルマでドライブ旅行を楽しむとき、やはり気になるのは高速道路の通行料金でしょう。

 円安&原油高のダブルパンチでガソリン代が高止まりが続く以上、高速道路の通行料金も、できるだけ節約したいと思っている人が多いのではないでしょうか。

 そんな「節約旅」に大きく貢献するのが、NEXCO東日本が「ドラ割」、NEXCO中日本が「速旅」、NEXCO西日本が「みち旅」という商品名で展開する「ETC周遊プラン」です。

ETCの利用率は高く、2024年3月現在、ETCの利用率は全体の94.7%。つまり100台に95台がETCを利用しているが、まだ「ETC周遊割引」を知らない人も多い

ETCの利用率は高く、2024年3月現在、ETCの利用率は全体の94.7%。つまり100台に95台がETCを利用しているが、まだ「ETC周遊割引」を知らない人も多い

 これらのETC周遊プランは「所定の金額を一括して支払う(ETC料金所で無線通信により収受する)」ことで、「決められた周遊エリア内での高速道路の流出入(乗り降り)が自由になる」という仕組みを基本とする商品です。

 現在、高速道路の料金は、一部の均一区間をのぞき、以下の計算式で算出されます。

(150円+距離×1kmあたりの料金)+消費税

 1kmあたりの距離は、普通車の場合24.6円で、東京および大阪の「大都市近郊区間」は29.52円となっています。また100km超200kmまでの部分は25%割引、200km超の部分は30%の割引が行われます。

 そのため、短い区間を何度も乗り降りすると、「150円」がそのたびにかかることになり、トータルで考えるとかなり割高になってしまいます。

 ETC周遊プランでは、何度乗り降りしても料金は変わらないため、複数箇所を回るドライブでは、支払う通行料金を抑えることができるのです。

 またETC周遊プランは「発着地(発着エリア)から乗り降り自由なエリア(周遊エリア)までの高速道路料金を含むタイプ」を設定している商品もあります。この場合、事前に「高速道路の通行料金がトータルでいくらかかるのか」を把握できることが、大きなメリットとなります。

 ではこうしたETC周遊プランを使うには、どうすればいいのでしょうか。

 NEXCO各社はそれぞれの商品名を用意していますが、利用の手順は基本的に共通です。

 まずNEXCO各社のETC周遊プランのウェブサイトにアクセスし、希望の商品を選択します。つぎにカレンダーで「利用開始日」を選択し、「利用期間」「車種区分」「名前」「メールアドレス」「連絡先電話番号」「ETCカード番号/有効期限」などを入力します。その後、確認画面で内容を確認し、申し込みを確定します。

 申し込みが成立すると、登録したメールアドレスに申し込み完了メールが届きます。

 なおNEXCO中日本の「速旅」では、申し込みの前に「速旅会員登録」が必要となりますが、登録を済ませておくことで、申し込み時の必要事項の入力を省くことができます。また「速旅」の会員は、NEXCO東日本の「ドラ割」の申し込み画面に登録したメールアドレス、パスワードを入力すると、連絡先などの情報を連携させることができます。

 利用の当日は、通常のETC走行と同様に、高速道路の出入口でETCゲートを利用すればOKです。

 なおNEXCO東日本「ドラ割」では宿泊がセットになった「セットプラン」を、NEXCO中日本は遊園地の入園券などがセットになった「観光施設セットドライブプラン」、宿泊がセットになった「宿泊セットドライブプラン」、お買い物券がセットになった「SA・PA 電子お買物券付ドライブプラン」などをラインナップしています。

 これらのプランについては、宿泊施設を別途申し込む、申し込み後に電子クーポンを発行する必要があるなど、申し込み手続きがやや異なっています。それぞれのページでご確認ください。

「ドラ割」「速旅」「みち旅」を使う際の注意点とは?

 なお、うまく使えばとてもお得なETC周遊プランですが、いくつかの注意点もあります。

 まずいちばん注意しなければならないのは、商品の内容をきちんと把握し、利用することです。

 周遊エリアだけの商品であれば「周遊エリア内だけの乗り降り」、発着エリアの設定がある商品であれば「発着エリア内から出発し、周遊エリア内だけの乗り降り」という形での利用であれば、問題はありません。

 しかし周遊エリアだけの商品で、周遊エリアの外から連続利用して走行した場合、発着エリア付き商品で、発着エリア外から連続走行した場合などについては、商品ごとにルールが定められています。

 使い方を誤ると、想定外の出費につながるため、事前にチェックしましょう。

 つぎに重要なのが、「ETC周遊パスを使えば、本当に安くなるのかどうか」の確認です。

 とくに発着エリアでもっとも周遊エリアに近い側から出発し、周遊エリアではそれほど乗り降りしない場合、ETC走行に適用される「休日割引」「深夜割引」のほうが割安になる可能性があります。

 NEXCO各社の料金検索サイトで事前にシミュレーションしましょう。

 最後に、ETC周遊プランはキャンセル手続きをしなくても課金はされませんが、申し込んだ利用期間に高速道路を走行した場合、ルートによっては「利用」の判定がなされる可能性があります。

 利用開始日以前のキャンセルは無料なので、もし旅行の予定を変更したなどの場合は、忘れずにキャンセルしましょう。

※ ※ ※

 このようにETC周遊プランには、事前の申し込み、ルールに沿った利用という、やや面倒な部分もあります。しかし上手く使えば、高速道路の通行料金を一般のETC走行の半額以下に抑えることも可能です。しっかり理解して利用し、「節約旅」を実現しましょう。

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