国道4号「関東ほぼ全て多車線化」へ 渋滞キツイ栃木県北の拡幅&バイパスどこまで進んだ?

バイパスのバイパスも作ってます。

国道4号「矢板以北」の進捗は

 国土交通省関東地方整備局は2024年10月、今年度3回目となる事業評価監視委員会を開催。栃木県内で建設中の国道4号「矢板拡幅」「矢板大田原バイパス」「西那須野道路」の3事業について進捗が共有されました。

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国道4号の矢板IC。ここ以北は車線が減るが、4車線化事業が進んでいる(乗りものニュース編集部撮影)。

 3事業は国道4号の矢板IC(東北道)以北における19.0kmの改良事業で、一部は現道を拡幅、一部はバイパスを新設して4車線化するものです。

 矢板IC以北の「矢板拡幅」6.5kmは全線で現道を拡幅します。用地取得率は65%で、2023年度に工事に着手しています。

 それに続く「矢板大田原バイパス」7.9kmは、箒川の前後をバイパスとし、大田原・那須塩原市内は主に現道を拡幅します。こちらは2024年から用地取得に着手したばかりで、まだ0%です。

 その次の「西那須野道路」4.6kmは、旧西那須野町の市街地のバイパスを建設する事業ですが、大部分は旧4号(旧陸羽街道)の拡幅です。昭和の時代にバイパスとして作られた現道「西那須野バイパス」のさらにバイパスを、旧道を活用して整備しています。

 こちらは2006年度に事業化し、用地は100%取得済み。現在は改良工事、電線共同溝工事、歩道橋工事を実施しており、かなり進んでいます。

 これら栃木県北の市街地区間は交通渋滞が著しく、死傷事故率が県内平均を上回っています。とりわけ、西那須野道路の整備区間に主要渋滞区間が集中しています。

 事業効果としては、大雪などの災害時における東北道の代替性確保のほか、工業地帯が点在する地域の産業支援などが挙げられています。大田原ではMRIの国内トップシェア企業があるほか、家電大手の工場が撤退した矢板では、跡地へ新たな企業の立地が決まるなど、企業誘致や設備投資が活発化しているそうです。

 ちなみに、矢板IC以南は、東京から続く新4号国道(4号バイパス群)のほか、現道拡幅とバイパス(氏家矢板バイパス)で4車線以上の道路が形成済み。矢板IC以北の3事業が完成すれば、那須塩原市の一部と那須町を除き、関東の国道4号は全て多車線化されます。

 さらに、矢板IC以南では、“常総・宇都宮東部連絡道路”の一部として建設中の国道408号「宇都宮高根沢バイパス」も接続する予定。矢板ICは国道4号だけでなく、常磐道の谷和原ICから直線的につながる高規格道路の終点にも位置付けられています。

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