ペダル付き原付ついに「都内初の死亡事故です」発生7か月後に警視庁 “見た目も気分も自転車”がアダに?

ペダル付き原付を、原付と思わず乗っているケースが後を絶ちません。警視庁は秋の交通安全期間中にペダル付き原付を対象とした取締りを重点的に行っています。そんな中で、今年2月に発生した交差点事故について鑑定を行い、初の死亡事故として発表しました。

自転車だと思い、逆走していた可能性も

 東京都内で初めての「ペダル付き原付」の死亡事故は、都会のどこにでもありそうなビル街で発生しました。悼む人のいない交差点には「死亡事故発生現場」という注意看板だけが残されています。

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ペダル付き原付のイメージ(中島みなみ撮影)。

 2024年2月2日20時30分頃、文京区湯島2-20先の交差点付近で北から南へ走る59歳の男性が運転するタクシーと、西から東へと走るペダル付き原付が衝突。ペダル付き原付を運転していた20歳くらいの外国人らしき男性が死亡しました。男性は病院に運ばれましたが、翌日1時14分頃死亡が確認されました。

 発生当初は死亡した男性の乗る車両が、ペダル付き原付か、原付以上のペダル付き自動二輪に該当するのか、あるいはアシスト自転車なのかが判然とせず「ペダル付き原付ようの車両」と発表されていました。警視庁はこの車両について鑑定を行い、その結果、ペダル付き原付であることを確認して、9月26日に初の死亡事故の発表として公表しました。

 なお、警視庁は死亡した男性の免許所持の有無、ナンバープレートの取付け状況や自賠責保険の加入状況など詳細について言及していません。

 現場の交差点は、信号がなく、3方向に横断歩道があります。タクシーが走っていた通称「サッカー通り」は、歩道と車道が分離された片側1車線のすっきりとした直線路です。死亡した男性が走っていた道路は、片側にだけ歩道のある中央線のない一方通行。オフィスビルとマンションが混在していますが、見通しは悪くなく、街路灯もあり、夜の視認性も悪くありません。

 発表された走行状況からすると、男性は逆走していた可能性がありました。

 自転車であれば、一方通行でも「自転車を除く」という補助標識がついていて、除外されることが多いですが、原付の基本的な交通ルールは四輪車と同じです。本来、市区町村に届出をしてナンバープレートを付けるべきペダル付き原付を自転車として乗ることは、歩道走行で歩行者に危険を感じさせることが社会問題化していますがいつのまにか運転者の自覚も自転車を運転するように変えてしまい被害者になる恐れがあります。

 意識は自転車でも、走行性能は原付。事故発生の可能性を高める原因の一つです。

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