多摩モノレールを「八王子」へ 箱根ケ崎・町田に追随なるか 多摩を貫く第三の延伸ルートに?

市がルート検討会議を開いてます。

多摩モノレール「八王子」延伸なるか

 2024年現在、多摩都市モノレールを南北に延伸させる動きが本格化しています。
 
 そのうち北の終点、上北台(東大和市)から箱根ケ崎(瑞穂町)まで延伸させる計画について、東京都は2030年代半ばの開業を目指しています。また、南の終点である多摩センター(多摩市)から町田までの延伸計画についても具体化しつつあり、町田市が延伸を前提とした導入空間の整備や再開発を打ち出しています。

 ほかにも多摩都市モノレールの延伸に向けた動きを見せている自治体があります。そのひとつが八王子市です。

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多摩都市モノレール(画像:写真AC)。

 八王子市は「八王子ルート整備促進協議会」を立ち上げ、市民向けにPR動画を公開。2023年12月には協議会が想定ルートを歩くイベントを開催したり、2024年以降は有識者を交えたルート検討会議も開催したりしています。

 多摩都市モノレールは上北台-多摩センター間の16kmが開業していますが、もともと、1980年代には約93kmにも及ぶ広大な路線網が構想されていました。

 このうち、箱根ケ崎、町田延伸については、2016年に行われた国の交通政策審議会の答申で「具体的な調整を進めるべき」とされたことが、具体化への大きな原動力となっているといえます。

 実はこのとき「地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト」として箱根ケ崎、町田のほかに八王子ルートも位置付けられていましたが、八王子ルートについては「事業性に課題がある」ともされ、十分に検討することが求められていました。

大学の「つなぎとめ」に?

 そのルートは、町田延伸と同様に多摩センターを起点として、西へ延びていくもの。小田急線の唐木田駅、京王線の南大沢駅付近、多摩美術大学付近を経て進路を北へ変え、JR横浜線の八王子みなみ野駅、京王片倉駅を経てJR八王子駅に至る約17kmの路線が構想されています。

 八王子市の担当課によると、「次の交通政策審議会に向けて機運醸成を進め、事業性の課題を検証している段階」といいます。

 市はパンフレットで、多摩ニュータウン、八王子ニュータウンの未利用地への企業誘致などを図るためにも、交通基盤の充実が重要としています。

 また、沿線に立地する多くの学校へのアクセス向上につながり、「都心回帰の傾向がみられている大学等の地域へのつなぎとめにも資する」ということです。

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