これが「川崎のベイブリッジ」か… 市内の最奥部に“巨大塔”出現 首都高湾岸線をまたぎドコへ?

川崎の臨海部に「巨大な塔」が出現しています。運河に隔てられた埋め立て地をつなぐ「ベイブリッジ級」の巨大橋、かなり壮大なスケールになりそうです。

中央径間「ベイブリッジ超え」 巨大な橋の全容が!

 かねて、ある部分で「横浜ベイブリッジを超える」といわれていた川崎市で建設中の巨大橋。2024年8月現在、その姿が臨海部の最奥部に現れています。

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川崎臨海部、水江町に出現した巨大な橋脚(乗りものニュース編集部撮影)。

 この橋は、川崎臨海部の埋め立て地「水江町」と、さらに海側の「東扇島」を結ぶ臨港道路「東扇島水江町線」の京浜運河に架けられる橋です。

 水江町は川崎駅付近から1本の道路で通じる埋め立て地で、その終点に位置するJFEスチール東日本製鉄所の事業所の真横に、巨大な橋脚ができてきています。

 そこから京浜運河を隔てて600m以上向こうに浮かぶ東扇島は、首都高湾岸線、国道357号などが通っていますが、一般道のアクセスは、水江町から塩浜運河を隔てて東の埋め立て地である千鳥町から通じる「川崎港海底トンネル」に限られます。

 渋滞も発生する海底トンネルに加え、ルートの多重化を図るべく、水江町-東扇島間の臨港道路が建設されているのです。

 建設中の京浜運河をまたぐ橋は、高く伸びる2本の主塔から斜めに張ったケーブルで橋桁を支える「斜張橋」が採用されます。京浜運河の航路幅を確保するため、中央径間(主塔と主塔のあいだの長さ)は525mに。これは径間長では横浜ベイブリッジの460m、鶴見つばさ橋の510mを超え、斜張橋として日本3番目の長さになります。

 ただ、羽田空港に近いため高さ制限が適用されることから、主塔の高さは鶴見つばさ橋の半分ほど、98.5mに抑えられます。見た目では十分に巨大ですが、鶴見つばさ橋や横浜ベイブリッジのダイナミックさに比べると、やや“こぢんまり”とした印象になりそうです。

首都高をまたぐ橋は“完成済み”

 さらに、この道路の東扇島側の「アプローチ道路」は、すでに完成しています。

 京浜運河を渡って東扇島に入ると、高架道路は2手に分かれます。1本は左に分岐し、国道357号東行き(東京方面)に取り付きます。

 もう1本は、そのまま首都高湾岸線をまたぎ、東扇島の総合物流拠点地区へと延びていきます。

 東扇島の南西にあたる首都高湾岸線以南の物流拠点地区は、川崎港コンテナターミナルなどがあり、現在は一般車の立ち入りが禁止されています。アプローチ道路が地上に接続する地点も、現時点では一般人が入れない場所です。

 しかし、臨港道路の開通を機に開放される予定で、一般車も首都高や国道357号のアクセスルートとして、この臨港道路を利用できるようになるといいます。

 事業主体である国土交通省の京浜港湾事務所によると、臨港道路の事業期間は現在「2028年頃まで」になっているとのこと。

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東扇島から斜張橋を望む。すでにケーブルも渡されている(乗りものニュース編集部撮影)。

 現在は斜張橋の上部工事が進められているほか、今後は水江町側から橋の高さまで上がる高架のアプローチ部が建設される予定です。

 そのアプローチ部が地上と接する位置は、水江町の北の端、JFEスチール事業所の「北門付近」とのことなので、1km近くの長さになるでしょう。現地はさらに大変貌しそうです。

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