アクアラインへ行くJCTがずーっと狭まってるの、なんで? 異例の2年間規制 実は“夢の新ルート”の準備だった!

首都高と東京湾アクアラインが交わる川崎浮島JCTのランプで、長期の車線規制が行われています。一体何をしているのかと聞いてみると、意外な答えが返ってきました。

首都高さんなんでJCTのランプを狭めてるの?

 首都高と東京湾アクアラインが交わる川崎浮島JCT。2024年現在、首都高湾岸線の東京方面からアクアラインへ向かうと、このJCTのランプで一部車線規制が行われ、何やら大がかりな工事が行われています。

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川崎浮島JCT。一部ランプで車線規制工事(左側)が行われている(乗りものニュース編集部撮影)。

 ちょうどランプがカーブする箇所が規制によって狭まっているため、やや運転に気を使うかもしれません。実はこの規制、2023年12月から約2年間という長期に及ぶものです。

 一体何をしているのか、首都高速道路に聞いてみると、「現在は不要になっている鋼管杭を撤去しています」との答えが。

 撤去対象の鋼管杭はJCTの建設時に設けられたもので、現在は構造に影響しないそうですが、聞くと「国道357号の工事に支障してしまうため」とのこと。

 そこで、湾岸線の側道にあたる国道357号を管理する川崎国道事務所に聞くと、「シールドマシンによるトンネル掘削にあたって支障になる」とのことでした。

 この工事は、国道357号の「多摩川トンネル」を建設するための準備だといいます。

開通いつだ? 一般道の「多摩川トンネル」

 首都高湾岸線は多摩川トンネルで都県境を貫き、羽田空港と浮島地区を結んでいますが、国道357号は羽田空港内で途切れています。この一般道部分の多摩川トンネルを建設すべく、2020年から準備が進められており、浮島では工事ヤードなども形成されています。

 多摩川を渡る一般道ルートは、2022年に最下流の橋として「多摩川スカイブリッジ」が開通したものの、他の橋はどこも交通容量がひっ迫し渋滞しています。国道357号のトンネルは、物流上の幹線ルートとして建設されるものです。ただし、浮島とその先の東扇島を結ぶ「川崎航路トンネル」の一般部については、未だ事業化されていません。

 国道357号の多摩川トンネルは長さ3.4km、直径16m、2車線分のシールドトンネルとなる計画で、首都高湾岸線のやや北側を貫きます。そのシールドマシンの発進箇所となる立坑は、首都高の川崎航路トンネルの浮島側坑口に隣接して設けられ、川崎浮島JCTの地下を通過する形で羽田空港へ掘り進んでいく計画です。

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国道357号の内陸側に並行する産業道路は大型車が多いうえ、しばしば渋滞する(乗りものニュース編集部撮影)。

 川崎国道事務所によると、仮に、国道357号の川崎航路トンネルも設けられるとすれば、多摩川トンネルから浮島で一瞬だけ地上に出て、またすぐトンネルという構造になるだろう、とのことでした。

 なお、首都高の鋼管杭撤去に伴うJCTランプの規制は2025年12月までの予定ですが、その時期から多摩川トンネルの本体工事が始まるわけではなく、本体工事の着手時期は現在検討中だといいます。国道357号の都県境部の開通には、まだまだ時間がかかりそうです。

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