渋滞中の高速道路「右車線絶対動かないマン」は結局速いのか? 「右車線機能してない」「左が空いてる」 じゃあ一番いい走り方って?

SNSで多客期に話題にあがりやすいのが、「高速道路の追い越し車線の使い方」です。「右車線で走り続ける」「キープレフト」あるいは「車線を変えながら走る」――。どのようにするのが一番良いのでしょうか。

「右車線が一番走りやすい」声も

 2024年のお盆期間、一定の話題を集めたのが「高速道路の追い越し車線の使い方」です。どのようにするのが一番良いのでしょうか。

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高速道路のイメージ(画像:写真AC)。

 高速道路の走り方については、お盆期間中にSNS上でとあるユーザーが次のような投稿を行いました。「なんで右に居座るの?なんで100キロぐらいで走ってるのに1番左の方が早いの?」。これについて、ほかのユーザーから次のようなコメントが集まっています。

・今日(8月11日)の新東名これだった。左車線が空いてるし120区間だと何度も看板出るにも関わらず遅い車がブロックして追い越し車線がまともに機能してない
・高速に不慣れな人から聞いたのですが「右車線が一番走りやすい」そうです。車線変更してくる車が少ないし合流もないからだって。
・これほんとそう。二車線で右車線走ってる車、左車線の車とランデブー走行するのなんでだろう。

 追い越し車線を走り続けることは、道路交通法(同法第20条)違反になる場合もありますが、このような現象は平時から見られる根深い問題のひとつです。渋滞が起きてくると多くのドライバーが一番右側の追い越し車線に移ろうとする傾向もあり、結果的に車間がつまり、追い越し車線側から渋滞が悪化する傾向もNEXCOなどが指摘しています。

 では、車線ごとの利用率が平準化されるとどうなるか、NEXCO東日本関東支社が実験を行っています。

 2017年10月、東北道上り線 佐野藤岡IC~館林IC間で渋滞中の車線利用率を調べたところ、第1走行車線、第2走行車線、追越車線でそれぞれ20%、36%、44%でした。

 そこで同支社は、東北道の同じ区間において電光掲示板を設置し、「渋滞予防のため」「左車線キープ」と掲出するなどして走行車線の利用を促す実験を行いました。すると、第1走行車線、第2走行車線、追越車線の利用率はそれぞれ28%、34%、38%となり、渋滞時間は実験日以外と比較して7時間から5.5時間に、最大渋滞長は22kmから10kmにまで減っています。

 つまり「キープレフト」は、渋滞回避のためにもメリットのある行動ということができるでしょう。

じゃあ「こまめに車線変える」「キープレフト」どっちがいいの?

 他方、渋滞した状況でよく見られるのが、「隣の車線の方が流れている」と感じたのか、車線変更を繰り返すドライバーです。

 NEXCO東日本は、自然渋滞の場合で、ICの合流などが関係しない場所であれば、「どの車線を走行しても通過時間に大きな違いはない」としています。車線変更を繰り返しても所要時間に大きな差がでるわけではないようです。

 それどころか同社は「後続車にブレーキを踏ませ、渋滞を発生または悪化させる原因となるため、むやみな車線変更は控えるように」と呼びかけています。また、クルマの交通量が増え始めた際に、ゆっくり走るクルマを追い越そうとする行動も、実は渋滞に繋がるとしています。

 NEXCO東日本関東支社は、「走行車線を多く利用していただくことで、渋滞を緩和できます」といいます。車線変更を繰り返すことで目的地まで早く着いた――そう思っている人もいるかもしれませんが、それをしないほうがスムーズになる、ともいえるのです。

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