魔の8月11日 「アクアライン渋滞」地獄の様相に? ほぼ「歩くスピード」 圧倒的なノロノロ渋滞は避けられる?
お盆の高速道路渋滞のなかでも“特殊”な様相を呈すると予測されているのが、東京湾アクアラインから首都高湾岸線に延びる渋滞です。「歩くスピード」くらいのノロノロになる恐れがあります。
渋滞長はさほどでもないけど、進む速度は「徒歩並み」
いよいよ2024年お盆の帰省ラッシュが始まりました。NEXCO各社が事前に渋滞予測を出していますが、この夏は「渋滞回数が昨年より増加」傾向。なかには、ちょっとした気配りで回避できるのに、ハマると抜けられない全国屈指の要注意区間があります。
NEXCO東日本関東支社の9代目渋滞予報士 鳥海航太氏によると、10km以上の渋滞長の発生が、昨年は95回でしたが、今夏は151回に。そのうち30km以上の渋滞も7回から11回に増えるとの予測です。
ただ、実際の運転ルートの選択では渋滞の長さだけでなく、渋滞区間を通過するスピードが重要です。この点で鳥海氏が特に注意を要する渋滞区間として挙げるのが、東京湾アクアラインの下り線(千葉方面)と、それに接続する首都高湾岸線(西行き)大井JCT-川崎浮島JCT間です。鳥海氏が解説します。
「特に8月11日(日)、ここで予測する渋滞長は最大17kmで、通過時間は最大2時間15分と予測されています。速度にして約8km/hです。同規模の渋滞長として、千葉市を通る京葉道路の貝塚IC付近でも最大15kmと予想されていますが、こちらは最大約45分、速度約20km/hで通過することができます」
大型連休中に起きる首都高湾岸線(西行き)の圧倒的なノロノロ渋滞は、この春にも発生しています。春の大型連休中の2024年5月3日、渋滞長は最大19km、通過時間は最大3時間20分と予想されていました。このときは速度約6km/h。歩道を走行可能な電動車いすなどと同程度という低速です。
なぜこのような激しい渋滞が起きるのでしょうか。鳥海氏はこう話します。
「この渋滞は都心で起きているのではなく、アクアラインの渋滞が首都高湾岸線に延びていると考えられます。夏より春のほうがより渋滞が激しくなる理由は、春は潮干狩りに向かう行楽車両がより多くなるためです」
高速を使って羽田空港に行くなら、首都高1号羽田線で
このアクアライン-湾岸線の課題は、川崎浮島JCTの分流部渋滞です。首都高湾岸線からのランプとK6川崎線の2線が合流し、1本になってアクアラインに向かう部分で、それだけでも渋滞の原因を作ります。
川崎浮島JCTから東京側約5km手前には、湾岸線「空港中央出口」があります。渋滞のない時期であれば、都心から羽田空港に接続する最も近い出口になるのですが、大型連休中の激しい渋滞に空港利用者の増加が加わり、空港にたどり着く時間が予測できなくなります。
大型連休中の都心は、観光地を除いて閑散としているので、自家用車やタクシーでも空港に行けると思いがちかもしれません。しかし、空港付近で大渋滞が待っているため、油断するのは禁物です。
これについても鳥海氏が、アドバイスします。
「都心から羽田空港への利用は湾岸線を使わず、首都高1号羽田線『空港西出口』の利用をご検討ください。羽田線はアクアライン通行の影響を受けないので、激しい渋滞が見込まれることがほとんどありません」
羽田空港を目的地として湾岸線「空港中央」と羽田線「空港西」を使った場合の差は、ほとんどありません。ただし、1号羽田線(神奈川県内はK1横羽線)からアクアラインへ行くことは構造上できません。
このほかの地域の渋滞回避ポイントについても、NEXCO東日本の交通混雑期特設サイトで詳しく解説されています。
08/10 16:12
乗りものニュース