「乗ってほしくない車体色1位」だと?「ピンクの車」実はメリット多大! 所有したからこそ実感

新車で買う場合、ピンクのボディカラーはいわゆる不人気色。ただ、中古車で買うなら意外にもメリットが盛り沢山なのだとか。加えて汚れも目立ちにくいので、洗車無精の人にはとくにオススメです。

女性が選ぶ「彼氏に乗ってほしくない車体色」第1位

 ある調査によると、女性2000人に聞いた「男性に乗ってほしくないクルマの色」の第1位はピンクとのこと。彼女たちいわく「女の子っぽい明るい色はイヤ」「ピンクで迎えに来られたら恥ずかしすぎる」「オネエ系男子を連想してしまう」とのことで、評判は散々です。

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2023年7月に筆者が中古で購入したフィアット500PINK!。価格は総額で50万円ほど(山崎 龍撮影)。

 では反対に、男性に聞いた「彼女が『ちょっとイヤだな……』と思ってしまうクルマの色は?」とのアンケート結果も、堂々の1位はピンクでした。その理由を男性に聞くと「目立ちすぎて恥ずかしい」「かわいらしい感じを出しすぎてて嫌だ」とのこと。

 要するに、男女問わずピンクのボディカラーは「非モテ色」です。そればかりかホワイトやブラック、シルバーメタリックが人気の中古車市場においては、ピンクなどの個性的なカラーは人気薄ということもあって査定額は総じて低く、リセールバリューを考えるとマイナスになります。

 そもそもピンクのクルマは乗り手を選ぶということもあって、女性ユーザーが多い軽自動車を除くと設定される車種はかなり少なめ。2013年に「モモタロウ」という名の明るいピンクで塗られたクラウンが限定販売されて話題になったことがありましたが、2024年現在では日産ノートに「スミレ」という紫がかったピンクメタリックの設定がある以外は、ポルシェやロールスロイスなどの高級輸入車に特別受注色として設定がある程度と、登録車では選択肢がかなり限られます。

ピンクのクルマに乗って気づいた意外なメリット

 そんなピンクのボディカラーですが、じつは筆者(山崎 龍:乗り物系ライター)がゲタ代わりに使っているのが「ローザ・ローザ」という鮮やかなソリッドカラーのピンクで塗られたフィアット500PINK!です。2009年に国内限定50台(世界限定600台)で販売されたスペシャルモデルで、2023年7月に中古車サイトで格安で販売されているのを見つけると、一目惚れして買ってしまいました。

 50を過ぎたおっさんが愛車とするには、チトかわいすぎるかなとも思いましたが、フィアット500の丸っこいルックスにピンクはよく似合っていますし、「非モテ色」という点もすでに付き合っているパートナーがいるので、今さらモテを気にする必要はありません。なんなら、カノジョ了承のもとで購入しているのでまったくもって問題なし。とはいえ、車両を初めて見たときは、一瞬引いた表情を見せてはいましたが……。

 購入したフィアット500は10万kmを超えた中古車ですが、故障ひとつすることなく2024年現在も調子よく走っています。こうして、納車から1年が経過したところで振り返ると、ピンクのボディカラーには意外にも多くのメリットがあることに気付かされました。

 ピンクのボディカラーのメリットについては、いくつかありますが、大きなものを挙げると次の3つになります。

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トヨタが2013年に期間限定で販売していたクラウン アスリートの特別仕様車「ReBORN PINK」。ボディカラーは「モモタロウ」という特別設定色だった(画像:トヨタ)。

 まず、ひとつ目は「他の人と被らない」という点でしょう。

 ライターという仕事柄、クルマ関係のイベントには足を運ぶことが多いのですが、イタリア車のイベントでも同じクルマに出会うことはほぼありません。唯一の例外が今年3月に千葉で開催されたフィアット限定イベントの『CIAO! FesTrico』だけでした。他人と被らないということは印象にも残りやすくなるようで、愛車と紐づけて顔を覚えてもらえ、イベントを通じて他の参加者と仲良くなることが多かったです。

結論「ピンクの中古車はオススメ!」

 では、残りのメリットは何なのかというと、2番目が「広い駐車場でも愛車がすぐ見つかる」です。

 これは先に挙げたメリットにも関連することですが、ピンクのクルマは数が少ないため、巨大なショッピングモールの駐車場に愛車を停めたときもすぐに見つかります。また、渋谷や新宿などの繁華街で誰かと待ち合わせをしたときも容易に見つけてくれるので便利です。

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忙しくて3週間ほど洗車していないフィアット500PINK!。パッと見はきれい(山崎 龍撮影)。

 そして3番目が「ピンクは汚れが目立ちにくい」でしょう。

 これは意外な発見でした。忙しくて洗車をサボっても汚れが目立たないので、さっと窓だけ掃除すればそのまま出発してOK。考えてみれば砂埃は薄茶色です。イギリスの特殊部隊「SAS」が砂漠地帯で使用していたランドローバーの車体色はデザートピンク、湾岸戦争で活躍したイギリス空軍の戦闘機「トーネードIDS」もピンク掛かったサンドカラーで塗装されていました。おそらくピンクという色は、砂埃に対する迷彩効果が高いのでしょう。

 すでに筆者はピンクのフィアット500に1年間乗っていますが、デメリットはまったく感じていません。人によっては「目立つ色だから煽られやすい」という向きもあるようですが、交通の流れに乗ってスムーズに運転しているせいか、そうした経験は1度もありません。

 また「悪目立ちする」という声もありますが、交差点前で信号待ちをしていても振り返る人は100人にひとりもいません。そもそもフツーの人は赤の他人がどんな色のどんなクルマに乗ろうが、興味も関心もありませんからね。

 というわけで、洗車嫌いの不精な人にはピンクのクルマは意外とオススメです。購入する際も、同程度の中古車と比べれば相場は総じて低いですしね。

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