「日本-韓国-ロシア」の国際フェリー5年ぶり運航再開! 船は同じで会社変更 “元日本のクルーズ船”カムバック計画も!?

かつて存在した日本-韓国-ロシアの3国を結ぶフェリー航路が復活します。運航を休止した5年前と同じ船を購入した別会社が就航させるものですが、実は日韓のあいだで、別の船の就航予定もあります。

山陰「境港」が再び大陸の入口に

 2019年まで運航されていた日本-韓国-ロシアの3国を結ぶフェリー航路が、2024年8月から復活します。船は5年前と同じ。ただし会社が異なります。

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境港へ再就航するイースタン・ドリーム(画像:トゥウォン商船)。

 この航路は鳥取県の境港と、韓国の日本海に面したトンヘ(東海市)、さらにロシア極東のウラジオストクを結びます。2009年から2019年まで、韓国のDBSクルーズフェリーが日本唯一の3国にまたがる旅客航路として運航していましたが、日韓関係の悪化による旅客の激減、さらにコロナ禍のなかで、同社は廃業しました。

 その後、同社が運航していた「イースタン・ドリーム」を韓国のトゥウォン商船(DuWon Shipping)が買い取り、トンへ-ウラジオストクで運航。このたび境港発着の試験運航を経て、8月3日(日)境港発より、日本からの旅客輸送を開始することとなりました。

 トゥウォン商船はすでに、フェリーが発着する境港の「境夢みなとターミナル」に日本法人「イースタン・クルーズ&フェリー」の事務所を立ち上げています。ちなみに、この「イースタン・ドリーム」はもともと、日本のマリックスラインが鹿児島-奄美-那覇航路で運航していた「クイーンコーラル」です。

 イースタン・クルーズ&フェリーによると、運航スケジュールは次の通り。境港への寄港は週1回となります。

【境港】日曜19時発→【韓国トンへ】月曜9時着/火曜15時発→【ロシア・ウラジオストク】水曜16時着/木曜14時発→【韓国トンへ】金曜13時着/同18時発→【境港】土曜9時着

 片道運賃は、境港―トンヘが日本円でシングル2万5000円(エコノミークラスベッド)から、境港ーウラジオストクが6万4317円(同)からです(諸税等別途)。9月1日まではオープン記念価格が設定されているグレードもあります。船内レストランは朝食が8000ウォン(約900円)、ランチ・ディナーが1万5000ウォン(約1700円)となっています。

 なお、イースタン・クルーズ&フェリーによると日本のウェブサイト開設が遅れているため、予約は電話で受け付けるということでした(0859-21-9077)。運賃は当日支払いもしくは振込となります。

もう1隻日本へ「帰ってくる」!?

 イースタン・クルーズ&フェリーは境港寄港について、同地と韓国との交流を深めるほか、新しい旅行商品を開発したいと話しました。実は、親会社のトゥウォン商船はもう一つの船を日本に就航させる計画をもっています。

 同社は2023年、日本クルーズ客船が運航を終了したクルーズ船「ぱしふぃっくびいなす」を購入しています。これを「イースタン・ヴィーナス」と改名のうえ、境港へと就航させる見込みです。

 イースタン・ヴィーナスの運航はかねてプサン(釜山)-境港と報じられていましたが、実際にはプサンを中心に韓国の複数の港へ寄港する予定とのこと。

 現在、船が修繕中で、航路の免許も申請中とのことですが、いずれも終わり次第、速やかに就航させたいといいます。

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かつての「ぱしふぃっくびいなす」(画像:日本クルーズ客船)。

 境港では、こうした国際航路の対応を見越し「北東アジアの玄関口」となるべく、境夢みなとターミナルを整備しましたが、完成したのは2020年4月。国際航路が休止し、コロナ禍に入った最悪のタイミングでした。しかし、それ以降は多数のクルーズ船が寄港するようになっています。そしていよいよ、常設の国際航路を迎え入れることとなります。

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