“東北のトヨタ村”の願い「国道4号の4車線化」にメド 「冬がヤバイ」深刻ボトルネック解消なるか

半導体工場きたらこれはマズイ……。

宮城県唯一の「村」 その国道4号がボトルネック

 国土交通省 仙台河川国道事務所は2024年6月11日、宮城県内における国道4号の拡幅事業「大衡(おおひら)道路」について、一部区間の開通見通しを発表しました。

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国道4号で2車線の大衡道路区間の渋滞(画像:仙台河川国道事務所)。

「大衡道路」は宮城県唯一の村である大衡村内の国道4号を4車線化する事業です。全長4.5kmのうち、大崎市側の2km(河原交差点から村市境まで)について、2026年度までに開通する見通しだということです。

 この大衡道路の区間は、仙台から県北の大崎市まで国道4号で唯一の2車線区間であり、交通上のボトルネックとなっています。

 村にはトヨタ自動車東日本が本社と2つの工場を構えており、宮城北部や岩手県内に多く立地するサプライヤーが日常的に往来。自動車部品の輸送には主に東北道が使われているものの、近年、冬場は大雪時の「予防的通行止め」運用が開始され、大衡ICの前後区間で通行止め回数が急増しています。

 そのたびに、国道4号の2車線区間は大渋滞となるほか、栗原市から東北道通行止め時に国道4号経由で部品輸送をした場合、通常より120分増しになるという声も。朝夕通勤時は国道4号が慢性的に渋滞しているため裏道を使うという人も、冬場はそうもいかず、優先的に除雪される国道4号の機能強化が求められていました。

 大衡村では2027年に「世界有数の半導体企業による新工場」の稼働も予定されているため、国道4号の重要性はさらに高まるといいます。仙台河川国道事務所は、「大衡道路の整備により、東北道通行止め時における時間信頼性や地域産業を支援する路線としての機能を向上」させるとしています。

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