存在感は唯一無二!? 新潟の「バスセンターのカレー」が異彩を放つワケ 改装後も変わらぬ「黄色のルウ」

新潟市中心部のバスセンターには、ご当地グルメとして親しまれている「カレー」があります。なぜこのカレーは全国的に愛されているのでしょうか。

ここでしか食べられない味

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新潟市街にある「万代シテイバスセンター」(画像:写真AC)。

 新潟市の繁華街近くに位置するバスターミナル「万代シテイバスセンター」。

 紛らわらしいですが、新潟駅の万代口にある、大屋根が特徴の古き良き「頭端式」のバスのりばは、2024年3月末にいよいよ見納めとなります。しかし駅から離れたこちらの「万代シテイ」は、まだまだ健在です。

 ざて、この万代シテイのバスセンター内には、名物として親しまれる食堂「万代そば」があります。その中でも特に有名なのが「カレー」です。

「バスセンターのカレー」と言えば通じるこのカレー。まず目につくのが「真っ黄色」とも言うべきルウの見た目です。一口食べれば、思わず「バスセンターのカレーの味」とうなずいてしまいます。

 その味は、基本的には「懐かしい味」で、辛さはマイルド寄り。まろやかさの秘密は「とんこつスープ」と、野菜の甘味です。薄切りのにんじんと玉ねぎに負けじと、豚のバラ肉も存在感を放っています。

今や「新潟のソウルフード」

 万代シテイバスセンタービルが完成したのは1973(昭和48)年。それと同時に「万代そば」とカレーの歴史はあります。運営母体である新潟交通によると、センタービルが建つ前に国道を挟んで北東にあった「新潟交通バスステーションビル」でも、「万代そば」がすでに営業していたといいます。

 バス利用者に長らく愛されていたカレーが「全国区」になった大きなきっかけは、2017年3月に『アメトーーク!』(テレビ朝日系列)、2018年6月に『秘密のケンミンSHOW』(日本テレビ系列)と、相次いで全国放送のバラエティ番組で取り上げられたこと。新潟への旅行者が名物グルメとして立ち寄ることが増え、連日行列が続くようになったとか。

 すでにレトルト商品も発売されていましたが、こちらも品薄状態になったそうです。

 そんな万代そばに“変化”が起きたのは、2020年6月。バスセンターが改修されることになり、店が一度閉められてしまったのです。とはいえ“隣のホテルの宴会場”で臨時営業が続けられ、一時的な休業こそあれ「黄色いカレー」にありつくことはできました。そして9月には、元の位置にピカピカの店舗とカウンターとともに復活しました。

 新潟交通によると、このカレーの一番のこだわりは「昔から一切レシピを変えていないこと」だといいます。「これを食べれば、新潟に来たんだと実感できる」という声も多い、まさにご当地グルメとして定着しています。

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