最強クラスの台風10号 動きが遅く9月初めにかけて西日本・東日本では影響長引く

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非常に強い台風10号は、今後さらに発達しながら29日(木)にかけて九州南部に接近し、上陸するおそれ。その後も動きが遅く、西日本・東日本では9月初めにかけて台風の影響が長く続くため、大雨による土砂災害などに警戒が必要です。

台風10号 最強クラスで九州に接近・上陸へ 鹿児島県「暴風・波浪特別警報」発表

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非常に強い台風10号は、28日(水)13時現在、中心気圧935hPa、屋久島の南の海上を北へゆっくり進んでいます。「ゆっくり」とは時速10キロ未満で、ジョギング並みの遅さです。

台風10号は、海面水温30℃以上のエリアをノロノロ北上するため、海上からエネルギーの補給をうけて今後さらに発達。今夜(28日)~明日29日(木)は中心気圧925hPa、最大風速50メートル、最大瞬間風速70メートルと発達の最盛期で九州に接近し、上陸する予想です。

台風の右側は台風に吹き込む風と、台風が進む方向の風が重なるためより風が強まります。今回の台風10号は、九州の西の海上を北上する予想で、九州では広く台風の右側に入るため、より暴風に厳重な警戒が必要です。

今日28日13時、鹿児島県には「暴風・波浪特別警報」が発表されました。経験したことのないような暴風・高波のおそれがあるため最大限の警戒が必要です。

ノロノロ台風10号 9月初めまで影響長引くおそれ

通常、台風は高気圧の縁に沿って北上し、ある程度北上した後は、上空の強い風(偏西風)に乗ってスピードアップしますが、この台風10号は上空の強い風(偏西風)にのれず、太平洋高気圧とチベット高気圧の間で台風を流す風が弱いためノロノロとなっています。また、台風が進行方向を変える時(転向点)で、一段とスピードが落ちる見込みです。

台風10号は、九州に接近・上陸後もスピードが上がらずノロノロが続きます。予報円の中心を通ると、30日(金)9時に熊本市付近、31日(土)9時に四国、9月1日(日)9時に近畿付近、2日(月)に関東付近の予想です。

台風の中心が予報円のどこかに入る確率は70%、中心線を通るとは限りません。30日(金)以降の予報円は大きく、9月2日(月)の予報円は東北~近畿をすっぽりと覆う大きさで、まだブレが大きくなっています。

9月初めにかけて、西日本・東日本では影響が長く続くおそれがあるため警戒が必要です。

台風+前線=大雨

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本州付近には台風周辺や高気圧の縁辺から湿った空気が流れ込んでいるうえに前線が停滞しているため、台風から離れた所でも連日、記録的な大雨となっています。愛知県や静岡県などでは、この3日間で8月ひと月分の雨量の2倍~3倍の雨が一気に降り、土砂災害が発生するなど大きな被害がでています。

台風+前線=は大雨のパターンです。台風が列島からぬけるまでは、台風から離れている所でも湿った空気が流れ込み続け、あちらこちらでゲリラ雷雨となる見込みです。すでに大雨となっているところに台風本体の雨雲が近づくと、土砂災害などのリスクが一層高まるため警戒が必要です。

総雨量1000ミリ超え 記録的な大雨のおそれ

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奄美地方と西日本、東日本を中心に29日にかけて、台風本体や台風周辺の暖かく湿った空気が流れ込んで大気の状態が非常に不安定となるため、雷を伴った非常に激しい雨や猛烈な雨が降り、大雨となる所がある見込みです。台風の動きが遅いため、同じような場所で大雨が続き、宮崎など九州南部を中心に総雨量が1000ミリを超え、これまでに経験したことのないような大雨となり甚大な災害が発生する恐れがあるため最大級の警戒が必要です。

また、西日本から東日本では、30日以降も大雨が続き記録的な大雨となるおそれがあります。

最新の台風情報、交通情報をこまめに確認し、安全第一でお願いします。

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