台風10号　九州に上陸し列島縦断コースか　経験したことのない大雨・暴風に厳重警戒

非常に強い台風10号は、29日(木)～30日(金)に九州に接近・上陸し、列島を縦断するおそれ。台風の動きが遅いため、今週末にかけて長い時間、大雨や暴風の影響を受ける見込み。これまでに経験したことのない大雨・暴風・高波・高潮となり、災害の危険度が一気に高まるおそれがあるため厳重な警戒が必要です。

台風10号　九州に上陸・列島縦断のおそれ

台風10号は、今日27日午前9時に「非常に強い」勢力となり、中心の目もくっきりしてきました。

非常に強い台風10号は、28日にかけて奄美地方に最も接近する見込みです。その後、29日～30日に九州に接近・上陸し、西日本・東日本を縦断するおそれがあります。

台風の動きが遅いため、今週末にかけて長い時間、同じような場所で大雨や暴風の影響を受ける見込みです。また、秋雨前線も停滞するため、台風から離れた所でも、台風の接近前から大雨のおそれがあります。台風+秋雨前線=広範囲で大雨のパターン。これまでに経験したことのない大雨・暴風・高波・高潮となり、災害の危険度が一気に高まる可能性があるため厳重な警戒が必要です。

30日以降の予報円はまだ大きいため、最新の台風情報をこまめに確認して下さい。

最大瞬間風速70メートル予想　線状降水帯発生のおそれ

すでに奄美地方の一部では、風速25メートルの暴風域に入っていて、喜界島では最大瞬間風速42.7メートル(17:14)と、走行中のトラックが横転するレベルの暴風を観測しました。

奄美地方では、今夜(27日)からは最大瞬間風速60メートル、明日28日は70メートルと、一部の家屋が倒壊するレベルの暴風が吹き荒れる予想です。

また、九州南部と奄美地方では27日夜～28日夜にかけて、線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があります。

台風の動きが遅いため、奄美地方では29日にかけて災害級の暴風や大雨に警戒が必要です。
九州南部でも明日28日から、九州北部でも明後日29日から、最大瞬間風速50メートル～60メートルの暴風が予想されています。早めの対策をお願いします。

奄美地方と西日本では、29日にかけてうねりを伴い猛烈なしけとなる所があるでしょう。その後も、西日本を中心に猛烈なしけ、高波、満潮時を中心に高潮にも厳重な警戒が必要です。

経験したことのない大雨　総雨量1000ミリ超えか

奄美地方や、西日本・東日本の太平洋側を中心に29日にかけて、台風本体や台風周辺の暖かく湿った空気が流れ込んで大気の状態が非常に不安定となるため、雷を伴った非常に激しい雨が降り、大雨となる所がある見込みです。奄美や九州地方では、28日～30日にかけて、四国地方から東海地方では29日～9月1日にかけて大雨となるおそれがあります。西日本から東日本の太平洋側を中心に記録的な雨量となり、特に、九州南部や四国では総雨量が1000ミリを超え、これまでに経験したことない大雨となるおそれがあるため厳重な警戒が必要です。

【24時間予想雨量　28日18時まで(多い所)】
東海地方　　　200ミリ
近畿地方　　　100ミリ
四国地方　　　120ミリ
九州北部地方　100ミリ
九州南部　　　300ミリ
奄美地方　　　400ミリ
その後、28日18時～29日18時まで(多い所)
東海地方　　　200ミリ
近畿地方　　　200ミリ
中国地方　　　100ミリ
四国地方　　　300ミリ
九州北部地方　400ミリ
九州南部　　　600ミリ
奄美地方　　　300ミリ
その後、29日18時～30日18時まで(多い所)
東海地方　　　300ミリ
近畿地方　　　300ミリ
中国地方　　　200ミリ
四国地方　　　400ミリ
九州北部地方　300ミリ
九州南部　　　400ミリ
奄美地方　　　　50ミリ

西日本から東日本では台風の影響で、30日以降も大雨が続くおそれがあります。線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに雨量が増えるおそれがあります。また、台風から離れた本州や北海道でも、湿った空気や秋雨前線の影響で、すでに記録的な大雨となっている所があります。今後は少しの雨でも土砂災害のリスクが高まるため警戒が必要です。

各地の警戒期間

上の図は各地の暴風や大雨の警戒期間です。この期間は、西日本を中心に暴風や高波、大雨による土砂災害や、低い土地の浸水、河川の氾濫に厳重な警戒が必要です。

九州では28日～29日頃は最大瞬間風速60mメートル前後が予想されており、一部の住家が倒壊してしまう恐れがあるほどの猛烈な風が吹く可能性があります。また、宮崎県を中心に24時間で600ミリを超すような大雨が予想されており、平年8月の2倍以上の雨量となる恐れがあります。その前後も雨が降るため、さらに雨量が多くなる可能性もあります。

また、列車の計画運休や空の便の欠航、道路の通行止めなど交通機関が大きく乱れる可能性もあるため、最新の交通情報にも注意が必要です。停電や断水も視野に台風への備えをなさってください。

台風から離れた本州でも湿った空気の影響で局地的に大雨となり、今週末は東日本でも暴風のおそれがあるため警戒が必要です。